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奈良へ__
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「その救世観音という仏像は年に一度の公開でしか中は開かれないそうなんだが、変わった仏像で、光背が頭に刺さっているんだ」
「ん?仏像の後ろの飾りみたいなやつ?あれってそういう作りなんじゃないの?」
「翔平、とりあえず食べてしまいなさい。確か写真集があったはずだから、食後に見せよう」
済まない爺ちゃん!
「なんでこんなことも知らないのに、成績がいいんだこいつは」
「うるさいなー!迦具土も学校行けばわかるよ。テストの時まで覚えてて、終わったら忘れちゃうんだよ……」
「受験大丈夫なのか?やっぱり塾に……」
「爺ちゃんも!大丈夫だよ。ごちそうさまでした!」
食器をつけに行き、本のある場所を聞いて持ってくると、祖父がページを開いてくれる。
見る限り普通の仏像と思うが、横から見るとやはり救世観音だけ頭からグサッと刺さっているのを見るとあまりいい気分にはなれない。
「あれ?あれ?」
ページを捲りながら書いてあることを読み、ほかの仏像も見ていたが、この救世観音だけはずっと布で巻かれていて、その布のおかげで保存状態がよかったと書かれている。
しかも450mって、どんだけぐるぐる巻きだったんだろう?
しかも七不思議と書いてある中の一つ。
法隆寺に蜘蛛の巣ははらないとか色々とあるが、びっくりしたのは、聖徳太子が180cm説!
俺よりかなりでかい!
しかも、夢殿は聖徳太子を封じ込めていた場所?
本を横に置き、「馬鹿馬鹿しい」と言うと、「信じないのも無理はない」と珍しく大国さんが言う。
素直な大国さんのが珍しいよ。
「一応見たけどさ、この仏像が何かしたの?石長さんなにしに行ってるの?」
「石長は簡単に言ってしまえば、自然のものに対して敏感なんだ。土地の穢れなどもよく分かるほうだろうな。それを踏まえて、夢殿周辺の神社や仏像に変化がないか見に行ってもらってる。因みに仏像は動かんぞ?」
動いたら怖いです!
ついでに観光もしてこいと、パンフレットまで貰ったが、東大寺に興福寺に春日大社。
他にもいろいろと観光名所の、しかも俺でも知ってるところが満載のパンフレットをこれでもかと出してくる。
「えーと、受験生へのひと時の休憩の旅とでも名付けていいですか?」
「おー、いいぞ?」
「大国さん!!!」
「わかったわかった。えーと、東大寺と春日大社は一回りできる感じで繋がってるんだ。どちら周りでもいいが、朝、興福寺に行って、天龍八部衆に変化がないか見てきてくれ。その後奈良公園を通って東大寺から行ってもいいし、目の前の春日大社からでもいいが、二月堂・三月堂・四月堂はかなり急な上り階段だから……」
「ちょっと!妙に詳しくないですか?」
「いや……まぁ……それはまぁ……」
「要は夜中に夢殿にいけってことだろ?」
「迦具土ー!」
「と、とにかく行ってきてくれ。ただ、石長の報告しだいにもなるんだがな……」
「何時頃ですか?」
「盆前には終わらせたい。ただでさえ、お盆というのは空が混み合うからな」
「は?空?」
「ん?仏像の後ろの飾りみたいなやつ?あれってそういう作りなんじゃないの?」
「翔平、とりあえず食べてしまいなさい。確か写真集があったはずだから、食後に見せよう」
済まない爺ちゃん!
「なんでこんなことも知らないのに、成績がいいんだこいつは」
「うるさいなー!迦具土も学校行けばわかるよ。テストの時まで覚えてて、終わったら忘れちゃうんだよ……」
「受験大丈夫なのか?やっぱり塾に……」
「爺ちゃんも!大丈夫だよ。ごちそうさまでした!」
食器をつけに行き、本のある場所を聞いて持ってくると、祖父がページを開いてくれる。
見る限り普通の仏像と思うが、横から見るとやはり救世観音だけ頭からグサッと刺さっているのを見るとあまりいい気分にはなれない。
「あれ?あれ?」
ページを捲りながら書いてあることを読み、ほかの仏像も見ていたが、この救世観音だけはずっと布で巻かれていて、その布のおかげで保存状態がよかったと書かれている。
しかも450mって、どんだけぐるぐる巻きだったんだろう?
しかも七不思議と書いてある中の一つ。
法隆寺に蜘蛛の巣ははらないとか色々とあるが、びっくりしたのは、聖徳太子が180cm説!
俺よりかなりでかい!
しかも、夢殿は聖徳太子を封じ込めていた場所?
本を横に置き、「馬鹿馬鹿しい」と言うと、「信じないのも無理はない」と珍しく大国さんが言う。
素直な大国さんのが珍しいよ。
「一応見たけどさ、この仏像が何かしたの?石長さんなにしに行ってるの?」
「石長は簡単に言ってしまえば、自然のものに対して敏感なんだ。土地の穢れなどもよく分かるほうだろうな。それを踏まえて、夢殿周辺の神社や仏像に変化がないか見に行ってもらってる。因みに仏像は動かんぞ?」
動いたら怖いです!
ついでに観光もしてこいと、パンフレットまで貰ったが、東大寺に興福寺に春日大社。
他にもいろいろと観光名所の、しかも俺でも知ってるところが満載のパンフレットをこれでもかと出してくる。
「えーと、受験生へのひと時の休憩の旅とでも名付けていいですか?」
「おー、いいぞ?」
「大国さん!!!」
「わかったわかった。えーと、東大寺と春日大社は一回りできる感じで繋がってるんだ。どちら周りでもいいが、朝、興福寺に行って、天龍八部衆に変化がないか見てきてくれ。その後奈良公園を通って東大寺から行ってもいいし、目の前の春日大社からでもいいが、二月堂・三月堂・四月堂はかなり急な上り階段だから……」
「ちょっと!妙に詳しくないですか?」
「いや……まぁ……それはまぁ……」
「要は夜中に夢殿にいけってことだろ?」
「迦具土ー!」
「と、とにかく行ってきてくれ。ただ、石長の報告しだいにもなるんだがな……」
「何時頃ですか?」
「盆前には終わらせたい。ただでさえ、お盆というのは空が混み合うからな」
「は?空?」
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