7 / 103
平穏な日々
.
しおりを挟む
お前は子供か!と突っ込みたかったが、人数分どうぞと書いてあったからと一つくれる。
それも祖母が教えたらしいのだが、今度は回転寿司に行きたいという。
「何で?」
「皿の上に乗った寿司がくるくると回ってるのだろう?」
「皿が回るってより、流れていく感じかな?」
「とにかく、面白そうなものは行ってみたいんだが」
「いいけど、みんなで行く?その方が楽しいよ?」
「分かった。家に着く前に、みりんを買ってきてくれと言われてるんだが、酒屋か?」
「そうだね、寄ってから帰ろっか」
こうしていると、本当に兄弟なのかもしれないと錯覚するほど今では人間くさい迦具土。
ただ、どことなくピリピリとしていると感じるのは俺だけだろうか?
「ただいまー」
玄関を開けて声を掛けると、祖母ではなく祖父が出迎えてくれる。
「婆ちゃんは?」
「今、お隣さんの家に回覧板を持って行ってるから、そろそろ帰ってくると思うが、楽しかったか?」
「うん。今度みんなで回転寿司行こうって話してたんだ」
そう言いながら靴を脱いで上がると、迦具土はみりんを置きに台所へ。
手を洗ってから、着替えてくると言うと、先に風呂に入ってしまえと言われたので、そうする事にしたが、最近みんながコソコソしているようにも思える。
風呂にゆっくり浸かってから出て、迦具土にも入るように言うと、「あの、ぼてー何とかってやつの詰替が……」と主婦のように言っている。
「爺ちゃん、迦具土って最近主婦みたいじゃない?」
「そうかもしれんな。婆さんがかなり教えこんでるし、今の人の暮らしにもだいぶ慣れてきたように思えるから。で、どうだった?」
焼肉屋での出来事を話、やはり火が強いものは嫌いなようだと話をすると、「まだまだ時間がかかるかもなぁ」と腕を組んで考えている。
「ところでさ、大国さんの話ってなんだったの?」
「まぁ、昔話だったんだが、祭りで鈴を振れと言われていないか?」
「振りまくれって」
「私が昔、そういったものを祓っていたのは知ってるだろう?」
「うん」
「そのやり方を翔平に教えろって話だったんだ。迦具土君は祓えはできるものの、力を使うところを見られるわけにも行かないし、純平は多分もう術は解けているだろうと……」
「え?じゃあ、わかってて……」
「だろうな。あいつも細かいことは気にしないタイプだから、いいとは思うんだが……まずは翔平、明日学校が終わってから、夜公園に行くぞ」
何故か修行と言う名の鈴振り練習が始まるらしい。
しかも、祭りまで時間が無いのに、使えるようにならないといけないらしい。
兄は元々、術にかかりにくいとは聞いていたが、今後どう話せばいいのかとも悩む。
しかも、わかってて神様の石長さんと遊びに行くとか……ある意味すごい。
それも祖母が教えたらしいのだが、今度は回転寿司に行きたいという。
「何で?」
「皿の上に乗った寿司がくるくると回ってるのだろう?」
「皿が回るってより、流れていく感じかな?」
「とにかく、面白そうなものは行ってみたいんだが」
「いいけど、みんなで行く?その方が楽しいよ?」
「分かった。家に着く前に、みりんを買ってきてくれと言われてるんだが、酒屋か?」
「そうだね、寄ってから帰ろっか」
こうしていると、本当に兄弟なのかもしれないと錯覚するほど今では人間くさい迦具土。
ただ、どことなくピリピリとしていると感じるのは俺だけだろうか?
「ただいまー」
玄関を開けて声を掛けると、祖母ではなく祖父が出迎えてくれる。
「婆ちゃんは?」
「今、お隣さんの家に回覧板を持って行ってるから、そろそろ帰ってくると思うが、楽しかったか?」
「うん。今度みんなで回転寿司行こうって話してたんだ」
そう言いながら靴を脱いで上がると、迦具土はみりんを置きに台所へ。
手を洗ってから、着替えてくると言うと、先に風呂に入ってしまえと言われたので、そうする事にしたが、最近みんながコソコソしているようにも思える。
風呂にゆっくり浸かってから出て、迦具土にも入るように言うと、「あの、ぼてー何とかってやつの詰替が……」と主婦のように言っている。
「爺ちゃん、迦具土って最近主婦みたいじゃない?」
「そうかもしれんな。婆さんがかなり教えこんでるし、今の人の暮らしにもだいぶ慣れてきたように思えるから。で、どうだった?」
焼肉屋での出来事を話、やはり火が強いものは嫌いなようだと話をすると、「まだまだ時間がかかるかもなぁ」と腕を組んで考えている。
「ところでさ、大国さんの話ってなんだったの?」
「まぁ、昔話だったんだが、祭りで鈴を振れと言われていないか?」
「振りまくれって」
「私が昔、そういったものを祓っていたのは知ってるだろう?」
「うん」
「そのやり方を翔平に教えろって話だったんだ。迦具土君は祓えはできるものの、力を使うところを見られるわけにも行かないし、純平は多分もう術は解けているだろうと……」
「え?じゃあ、わかってて……」
「だろうな。あいつも細かいことは気にしないタイプだから、いいとは思うんだが……まずは翔平、明日学校が終わってから、夜公園に行くぞ」
何故か修行と言う名の鈴振り練習が始まるらしい。
しかも、祭りまで時間が無いのに、使えるようにならないといけないらしい。
兄は元々、術にかかりにくいとは聞いていたが、今後どう話せばいいのかとも悩む。
しかも、わかってて神様の石長さんと遊びに行くとか……ある意味すごい。
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
世界的名探偵 青井七瀬と大福係!~幽霊事件、ありえません!~
ミラ
キャラ文芸
派遣OL3年目の心葉は、ブラックな職場で薄給の中、妹に仕送りをして借金生活に追われていた。そんな時、趣味でやっていた大福販売サイトが大炎上。
「幽霊に呪われた大福事件」に発展してしまう。困惑する心葉のもとに「その幽霊事件、私に解かせてください」と常連の青井から連絡が入る。
世界的名探偵だという青井は事件を華麗に解決してみせ、なんと超絶好待遇の「大福係」への就職を心葉に打診?!青井専属の大福係として、心葉の1ヶ月間の試用期間が始まった!
次々に起こる幽霊事件の中、心葉が秘密にする「霊視の力」×青井の「推理力」で
幽霊事件の真相に隠れた、幽霊の想いを紐解いていく──!
「この世に、幽霊事件なんてありえません」
幽霊事件を絶対に許さない超偏屈探偵・青木と、幽霊が視える大福係の
ゆるバディ×ほっこり幽霊ライトミステリー!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる