八百万の学校 其の参

石長比売の家出

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夕食まで時間があったので、大浴場に行き、手足を伸ばしてゆっくりと湯に浸かる。

「純平さんに感謝をしなければ。私一人なら、こんな贅沢は出来なかったし、ゆっくり湯に入ることも出来なかった」

普段は山なので、歩くことは苦ではないが、やはり広い湯は体がとても楽になる。

源泉の温泉なら……

「そうだ。今度お礼に温泉に！あ、でも婚礼前なのにはしたないかも……」

風呂から出て脱衣所で髪を乾かしてから浴衣を着て一度部屋に戻り、夕食の会場と言うところに行くと、部屋の番号が書いてある。

係の人に鍵を見せると案内して貰えたので、出てきた会席料理を堪能する。

家出とは美味しいものが食べれるのだな。