八百万の学校 其の参

浅井 ことは

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石長比売の家出

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手荷物を預け、ポシェットだけとなったので、観光の地図を貰って公園へと行き、早速鹿せんべいを買う。

テレビではせんべいを持つとすぐに寄ってくるのに、警戒しているのか全く寄ってこない。

「ふぅ」

「お嬢さん、袋を開けないと寄ってきませんよ」

「あ、そうなのですね。ありがとう」

親切なお店の人にお礼を言って袋を開けると、わらわらと鹿が寄ってくる。

「あ、お前は先程食べたであろ?こっちの子鹿に……あっ、また!」

何とか子鹿にもあげることが出来、ぐるっと一周散歩がてら歩いていくと、いくつか並んだ土産物屋や食べ物屋がある。

「少しだけ」と団子を買って食べてお茶を飲み、休憩してからお土産ものを覗く。

「今買っても……」と思いつつ、小さなキーホルダーなら家の鍵に付けられるからとふたつ買う。

「兄と揃いのものなら翔平も喜ぶかもしれぬ」

金と銀のものを買って満足し、歩き疲れたなと思っているとバス停を見つける。

大きな駐車場に、たくさんのバス。

乗りにいた人に「駅までのバスは分かりますか?」と尋ねると「今から来るバスが駅に止まるよ。沢山乗るから鞄に気をつけてね」と教えられる。

「ありがとうございます」

鞄に気をつけろとは……?

来たバスに乗り、ギュウギュウ詰めになりながら何とか駅に付き、降りる人に合わせて降りる。

鞄は胸元で持っていたので何も無いのだが、カバンも潰されるという事だったのかな?とホテルへと向かう。
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