八百万の学校 其の参

浅井 ことは

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大山津見神

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「咲耶は何も知らず嫁ぎ子を産み、その後はわがままし放題でみなに迷惑をかけ……」

「えーと。大山さんでいいですか?神様の名前って長いんで!お父さんなのにそんな言い方酷いです。咲耶さんは確かにワガママだったし、めんどくさかったです!腹が立つほどに!俺も怒鳴りましたし、酷いことも言ってしまいました。でも、俺たち人間のことや、家族のことを馬鹿にされたから謝りません!まだ、俺はそれを許せるほど大人じゃないから。でも、石長さんの事をそんな風に言わないでください。俺は先生としては何も出来なかったけど、石長さんはちゃんと努力したし、今はまでのこともちゃんと受け止めて前に進んでます。神様だからふんぞり返ってればいいのに、爺ちゃんの病気のことも気にかけてくれるし、よく山菜とか届けてくれるし……お洒落もするようになって、よく笑うようになったんです。お父さんなら、娘の努力とか認めてあげたらどうですか?神様だからとか、社がとか、そんなこと俺には分からないけど、大山さんの娘でしょ!」

「翔平……」

「止めないでよ迦具土。ほんとに腹立つから!」

「良いのじゃ翔平。ありがとう」

「石長さん、兄貴も……着いてたの?」

「聞いていた。嘘では無い。父の言うことは本当の事じゃ」と悲しそうな顔をしている。
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