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妖精達の修行?

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頼まれたのは日本酒やビール。
これは届けてもらえばいいのだが、後はみりんに料理用のお酒に……

「スーパーもかよ!迦具土ー、一緒に行く?行くよね?」と無理やり玄関に連れていき、「ひとりじゃ無理」と手を合わせる。

「仕方ねーな。台所は四人居たら足りるだろ?二人選べ」

まだ外に出てない子はと聞くと新人さん。

「他の人には見えないよね?」

「見えないが、お前ら、店のものとか勝手に触るなよ」としっかりと睨む迦具土。

見えなくても触ったりすると位置が変わったりものが落ちたりすると、人間はびっくりしてしまうからとは言われたが、そんなことが目の前であったらちょっとしたホラーだ。

「婆ちゃん、メモのだけでいいの?」

「ええ。お爺さんにも聞いてちょうだい」

「うん」

祖父は酒屋に行くならとたまに置いてある干物を買ってきてくれという。

「無かったら?」

「無かったら大丈夫だ。時期的にあの酒漬けの干物があるとは思うんだが」

お金を貰って外に出ると、早速キョロキョロし始める妖精さんに、「自転車のカゴに乗ってて」と無理やり乗せる。

「見えてたら可愛い人形をカゴに入れてる変な大学生だよ」

「趣味が疑われるだけだから安心しろ」

まず聞かれたのは「この自転車とは?」「確か乗り物と習ったかと」と前ではなくこちらを見て聞いてくる。

「乗り物だよ。このカゴに荷物を入れて、いつもなら乗っていくんだけど」

「信号まで乗ってやれ」と、迦具土に言われて乗ると、カゴから悲鳴しか聞こえてこない。

「大丈夫?」

「こ、こんなに早いとは……」

「車ならもっと早いよ」と止まっている車を見せると、習いはしたが乗ったことは無いという。

そりゃそうだろう。
神様が車なんて乗るはずないし。

「迦具土待とうか」

「翔平様、ピカピカと光る赤と青のは何ですか?」

「横断歩道。青は渡って良くて、赤は止まるんだ。ピカピカってのは点滅。その時は危ないから止まった方がいいかな」

行き交う車の音にも耳を塞いでいるので、相当うるさいんだろう。

「あ、犬です!逃げないと!」

「は?」

「食べられてしまいます」

「食べないから!」
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