八百万の学校 其の参

神様再び

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「やっぱり志那さんて、色気あるよね？」

「所作や佇まいが綺麗だと目につくんだろう。顔なんて普通だろ？」

「そう？美男子だと思うけど」

「翔平、眼科とやらに行く事を勧める」

「どこで覚えたんだよ」

買ったものを袋に詰め終わったので、みんなで分けて持ち、重いものは自転車のカゴに置いて家まで帰る。

「さて、お野菜切らないと」

「手伝う」と割烹着を着た迦具土に追い出され、お茶を持って部屋に行くと大国さんと志那さんが机にお菓子を並べて、大国さんの駄菓子講座を真剣に聞いている。

真面目なのはとても分かるのだが、これは勉強するものなのか？

「これを三つに分けるんだ。三つに分けたものを更に朝と昼のおやつように分ける」

「数は……」

「均等にだ」

言われるまま並べている姿は大人なのに、やってる事は子供と同じ。

分けたものをさらに袋に入れ替えて満足してドヤ顔をする大国さんと、少ししかないとガッカリしている志那さん。

ひとつ余ったお菓子に手を伸ばそうとするので、「夕飯食べれなくなるからダメです」と適当な袋の中に入れる。

「大国さんもダメですよ？」

「せっかく買ったのに」

ダメだ。
この二人はお菓子のことになると同類だ……

「食事の後に果物を剥きましょう。それで如何ですかな？」と祖父の助け舟。

「おお、いちごと毛の生えた緑のものだな」

確かに毛はあるが、キウイだ！

頼むから果物の名前を言ってくれ！