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神様再び

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「この油の中に?」

「ええ。三つは入るわよ」と先に祖母が見本。

「おお、なんと!膨らんで浮いておる!」

「きつね色になったらこちらのトレイに置いて油を切ってね」と石長さんと交代。

「早く入れぬか石長」

「そうは言うても……柔らかいので怖くて」

「そっと入れれば大丈夫」と祖母とやっと中に入れ、揚げている間も甘い香りが……

「ひっくり返して!」

「は、はいー」

石長さんも何とか揚げる事が出来、何故か志那さんがやってみたいと手を上げる。

「お前、料理できるのか?」

その疑問は俺もある。

大国さんは時折オーブンを見てはまだ焼けないのか?と待っているし、ドーナツを揚げることはなさそう。

志那さんが着物の袖を紐で縛り、「これを中に入れれば良いのであろう?」とポイポイと入れるので油がはね、「そっと入れろ馬鹿者」と迦具土が怒り、菜箸でそっとひっくり返しては目をぱちくり。

「翔平もやるか?」

「俺はいいよ。こっちのクッキー出さないと」

ドーナツ組は志那さんと石長さんが交代で。

クッキーは熱いので冷まさないととテーブルに置くと、早速触ろうとする大国さん。

「火傷したら食べれなくなりますよ!」

「うう、あつあつはどんな味なのか興味が……」

「そういえば食べたことないかも。でも、このチョコで飾り書かなくていいんですか?」とチョコペンを渡すと、丸いクッキーに『大』と書く大国さん。

俺のもの的に書くのはやめてくれ!
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