天満堂へようこそ 3

浅井 ことは

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入り口で貰ったパンフレットならぬチラシには、D~SSSまでのランクがあり、D~Bランクでは賞金10000幻~50000幻、一年分の無料食事券。Aランクからは賞金がかなり上がり、500000~1000000幻。
SSSになれば、賞金3000000幻と跳ね上がっており、賭けをしている人もいる。
この金額の内訳はわからないが、それだけ危険があるということなのだろう。

ノアの性格からすれば、無難なBランク止まりだろうが、出場者は呼ばれるまで観客にはわからないことになっているらしい。

「よぉ、兄ちゃん。初めてか?」

「はい。連れが出るもので」

「ランクは聞いたか?」

「いえ」

「ここは雨の日しかやらねぇからな、この街の暴れん坊達がでるんだが、A・SSSは幻獣が出るんだ。SSSだけは魔幻獣が出るから、この街ではあまり見ることはできねぇし、まず倒せるやつがいないから用意はしてねぇんだがよ、今日は居るって噂なんだ」

「でも危ないですよね?」

「何人も死人が出てるし、勝った奴なんて居ねぇな」

そんな話をしている間に開会式らしきものが終わり、Dランクから進んでいくが、中々ノアが現れない。
確かにノアが強いことは聞いているが、もうすぐAランクだ。
それでも呼ばれることなく進んでいく。

だんだん手に力が入ってくるが、出ているのは自分ではないもののだんだん心配になってきてしまった。かといって、控え室に行く道順がわからないので、ここにいるしかできないのだが……

「それでは皆様お待ちかね!SSSランクの試合を始めます。今回の出場者は一名、ノア・フランシス!剣技で有名な彼ですが、今回の特別に用意した魔幻獣に彼は勝てるのか!それとも……それでは登場です!」

ワァァァァァっと歓声が上がり、ノアが登場する。

きれいなお辞儀をしたあと、競技場の真ん中で相手が出てくるのを待っている姿は、いつものノアではなく、全く知らない人のように何処か冷たさが感じられた。

出てきた魔幻獣は、大きさは10mはありそうなデカさ。二足歩行ながら、全体的には熊のような体躯。だが、頭は三つあり、真ん中は熊そのものだが、左右が角の生えた毛むくじゃらのカマキリのような顔と言ったらいいのだろうか……とにかく目がでかく、三角形の形の頭をしている。

お尻にはワニのような尻尾があり、鋭いトゲがいくつもついていて、どうやら知能も高いように見える。

というのも、先程からの歓声がまだ止まず、しっかりと客席を見ているからと言うだけの理由だが……

「ノア!気をつけて!」

声に気づいたのか、アナウンスしていた者からマイクのようなものを借り、「私は剣士ですので、魔法は一切使わないことをお約束致します」と言いきってしまった。

「馬鹿!怪我したらどうすんだよ!」

そう叫ぶも聞こえているのかいないのか、魔幻獣に向き直り構えを取る。
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