天満堂へようこそ 3

浅井 ことは

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変化

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目で合図をし、屋敷の中を臭いの方へと向かって歩いていく。

階段を降り、地下室のような所まで来たときに、木の扉があったので入ろうとするが、ノアに止められる。
音がすると言いたいのか手で何か言っているが分からない。

でも、開けないと中の様子が見れないし、ムーの臭いはここから物凄くする。

行かないと……

その思いだけで扉に手をかける。

扉のドアノブに手をかけると、するりと向こう側へ抜けたので、体事中にはいる。

ノアの魔法のお陰だと思い、それほど広くない部屋に小さな檻が1つ。
だが、コンクリートの床に檻が打ち付けてあり、檻事運ぶのは不可能。
手はすり抜けられるのでムーに触ると少し体温が下がっているようにも思える。

小さな声で「ノア」と言うが、ちょっと待ってとばかりに首を降り扉の方を見る。

頭を指差したので、頭のなかで話せと言うことなのだろう。

「姫様を待つしかありません。私では回復は不可能です。擦り傷程度しかまだ……」

「誰か来る?」

「壁によりましょう。決して声をお出しになら無いよう」

コツコツと足音がし、ガチャリと鍵の開けるおとがし恰幅のいい男性が入ってきた。

「おい犬、まだ生きてるか?」

クゥゥと鳴きはするもののかなり弱っている。
頭のなかで話しかけるも、クゥとしか声がでないようだ。
声に出さなくとも考えるだけでもいいのにそれさえも出来ないというのは……

鉄格子の間からムーのお腹に何かつけてあったのだろう。
それを取りだし、新しいものに付け替えている。

「これだけか。水でも飲んで早く出せ!」そう言って檻を蹴り出ていく。

飛び出しそうになったがノアに止められる。

男が出ていって直ぐに術も解けてしまい、ムーにも見えるようになったのだろう。
こちらを見てクゥクゥと鳴く。

男が見ていたお腹を見ると、袋が取り付けられ、そこに血がたまっている。

「ノア、離れてて……」

「何を……」

「チーターか豹か知らないけどさ、力もあると思うんだよ」
そう言い、檻の柱を両手で握り力を込めて引っ張る。

ギシギシと音は鳴るが檻はかなり頑丈なようでびくともしない。

「ムー、今出してやるからな!」

そう言いさらに力を込めると、檻ごと壊れてしまった。

「奏太様足音が……」

「もう一回魔法かけれない?ムーも」

「わかりました。ただそれほどの時間は持たないと思いますので、静かに出ましょう」

「わかった。もうちょっとだけ我慢してくれ」といい、ムーを抱っこする。
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