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天満堂薬店

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自分たちは後でいいとニコルに言って、作業を手伝うが、いくら結界内とはいえ、材料を目の前に後で食べると言っておいてよかったと鍋の中を見る。

「フハハハハ!見てみろ、この煮えたぎった……」
「それいいから!」
「つまらん奴だな。あとは煮詰めて終わりにしようと思ったが……」
「終わらせて!」

中はどす黒く、赤紫のような色の液体ができており、それがまた透明になるのかと思うと、飲む人が可哀想だと思ってしまう。

「鍋をかき混ぜー、早数百ねーん。トカゲの尻尾にコウモリの羽ー。トッピングに__」

「ちょ、何その歌……怖いんだけど」

「私のテーマソングだが何か?」

「いつも歌ってたとか?」

「そうだ、五番まであるぞ?聞くか?」

「結構です」

ふふふーん。と御機嫌に混ぜているので放置することにし、事務所の電話をノアが受けている間にご飯をとニコルに頼む。

エビピラフにサラダとオニオンスープでご飯を食べながら、開店準備をしているにコルに声をかける。

「包丁の使い方うまくなったよね」

「野菜スティックしか切ってませんけど。家でエマにこき使われたからかも知れません」

「でも良かったね。クレアちゃんかぁ」

などと、ニコニコしていたら、「嫁にはまだ……」と言われたので、そう言う意味じゃないと慌てて言う。

「魔界に帰っても平気なの?」

「はい。安全な地域なので。それに、兵も見張りにつきますから」

「家の前に?」

「家の門の中ですね。一応隠れていてもらわないといけないので」

「そうなんだ」

ノアも食事を始め、今は混ぜるものがないので、あの変な歌は終わったとゲッソリとしている。

「奏太様、今日の予約の方の中にガマ親分の名がありました」

「まだ足悪いのかな?」

「軟膏も切れてると思いますし、作っておきましたが、他にも百々目鬼さんもいらっしゃるようです」

「目薬だよね?届かないところは誰にしてもらうんだろう?」

「ご家族でしょうか……」

そんなことを言って食べていると、扉がチリンとなり、お客が入ってくる。

蛇の二人だ!と思って、まだ食事中と念話を送ってから、ニコルにウインナーも焼いてもらう。

「時間稼ぎしなきゃ……」

「あ、胃薬をここに置くそうなんですが、何か籠あります?」

「小さいバスケットでもいいですか?」

お借りしますとノアが席の横に置いて、食事が終わったら取りに行くと言っていたので、もし結月に気づかれたら「嫌だ!」と伝えてくれるように頼む。

「今日、毒抜きだけで時間かかるのに、他にもお客さん多いの?」

「薬の方は常連の方々ばかりです。バーの方は電気がついたら自然に集まってくると思いますが」

「ニコルさん宣伝とかしてないよね?」

「一度もしてません。皆さん看板の電気が付けばふらっとお越しになるので、よく通るのかも知れませんし……」
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