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守り
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大人達はリビングで酒を交わしながら食べて飲み、航平と秋彪と栞と四人でダイニングのテーブルで食事をする。
「俺もあっちで飲みたいのに!兄貴が飲み出すと俺がとばっちり食うんだから」
「玲さんかなり飲むもんね。前びっくりした」
「体もデカけりゃ態度もでかいし、大食いで大酒飲みときたら、でっかい所だけ目立つんだよなぁ」
予備の椅子に、三郎たちにも座ってもらって、ダイニング組は秋彪と三郎と四郎が少しずつ日本酒を口にし、料理を眺めている。
「これは?」
「四角い箱に香ばしい匂いですね……」
「なにか伸びてるが……」
「これはラザニアっていってね、スパゲティをひらべったくしたのと、ひき肉とトマトのソースで挟んで焼いたやつだよ。僕これ好きなんだ!器は熱いから気をつけてね」
そう言って取り皿に少しずつ取り分けて渡す。
「これは『ほーく』というので食べるんですか?」
「うん。お箸でもいいけど」
「つ、使ってみます……」
「一族と言っても、こっちに来たことあるやついないのか?」
「頭目は昔来たと聞いたことがありますが、我らは数度来たことがあるだけで、後は書物でしかこちらの事は……」
「雪翔と航平が大変だな」
「慣れるよ。二人共器用だから」
「で、これは?」と秋彪が指を指したのは山積みにされたイチゴ。
翡翠のであろうが、こんなには食べないから後でなにかに使うのかと栞に聞くと「みんなの狐ちゃんたちにもと思ったの。みんな疲れてるしね」
言うが早いか顔を知っている狐たちがどんどん出てきて、栞からいちごをもらって影に戻って行っている。
隅っこに煌輝がいたので手招きすると、トコトコとこちらに来て、「僕は何もしていないのでもらえません」と言って下を向いている。
「良いのよ?みんなで分けて食べましょう?それに、ちゃんと那智様の後ろで戦ったって聞いたわ」と頭を撫でている。それに那智が気づいたのか、「煌輝、貰っておけ。お前も頑張った」と言うと、やはり嬉しかったのか表情が明るくなる。
その一方で不機嫌になるのが一匹……
「ひーたんの、少ない!」
「まだ沢山あるのよ?」
「やっ!」
「ほら、みんな五つずつだったでしょう?翡翠ちゃんのはもっと多いのよ?」
「むむーぅ」
「翡翠ちゃん、みんなより多くてよかったね」と航平が言うと、「あいっ!」と手を挙げてすぐにご機嫌になる。
「何だろう?僕のいうこと聞いてくれないのに……最近膝にも来てくれないし」
「反抗期かしら?」
「あー、あるある。チビは拗ねるんだよ。うちの狐たちもあった!」
「そうなの?」
「誰かが面倒見てたんだけどさ、雪翔の狐はみんなチビだろ?だから、航平が兄ちゃんに見えるんじゃないか?」
そんなものなのかな?と他の料理も小皿にとって、二人に説明しながら食事を進めていくと、那智が気分が良くなったのか紫狐を呼びつけ、何やらヒソヒソと話をしている。
「しーちゃんなんだったの?」
「金と銀はまだ寝てますよね?」
「うん。感じからするとそう見たい」
「だったら、煌輝君、ひーちゃんはちょっとこっちに来てください。那智様がお呼びですのでー」と言いながら、部屋の外に出ていく。
「俺もあっちで飲みたいのに!兄貴が飲み出すと俺がとばっちり食うんだから」
「玲さんかなり飲むもんね。前びっくりした」
「体もデカけりゃ態度もでかいし、大食いで大酒飲みときたら、でっかい所だけ目立つんだよなぁ」
予備の椅子に、三郎たちにも座ってもらって、ダイニング組は秋彪と三郎と四郎が少しずつ日本酒を口にし、料理を眺めている。
「これは?」
「四角い箱に香ばしい匂いですね……」
「なにか伸びてるが……」
「これはラザニアっていってね、スパゲティをひらべったくしたのと、ひき肉とトマトのソースで挟んで焼いたやつだよ。僕これ好きなんだ!器は熱いから気をつけてね」
そう言って取り皿に少しずつ取り分けて渡す。
「これは『ほーく』というので食べるんですか?」
「うん。お箸でもいいけど」
「つ、使ってみます……」
「一族と言っても、こっちに来たことあるやついないのか?」
「頭目は昔来たと聞いたことがありますが、我らは数度来たことがあるだけで、後は書物でしかこちらの事は……」
「雪翔と航平が大変だな」
「慣れるよ。二人共器用だから」
「で、これは?」と秋彪が指を指したのは山積みにされたイチゴ。
翡翠のであろうが、こんなには食べないから後でなにかに使うのかと栞に聞くと「みんなの狐ちゃんたちにもと思ったの。みんな疲れてるしね」
言うが早いか顔を知っている狐たちがどんどん出てきて、栞からいちごをもらって影に戻って行っている。
隅っこに煌輝がいたので手招きすると、トコトコとこちらに来て、「僕は何もしていないのでもらえません」と言って下を向いている。
「良いのよ?みんなで分けて食べましょう?それに、ちゃんと那智様の後ろで戦ったって聞いたわ」と頭を撫でている。それに那智が気づいたのか、「煌輝、貰っておけ。お前も頑張った」と言うと、やはり嬉しかったのか表情が明るくなる。
その一方で不機嫌になるのが一匹……
「ひーたんの、少ない!」
「まだ沢山あるのよ?」
「やっ!」
「ほら、みんな五つずつだったでしょう?翡翠ちゃんのはもっと多いのよ?」
「むむーぅ」
「翡翠ちゃん、みんなより多くてよかったね」と航平が言うと、「あいっ!」と手を挙げてすぐにご機嫌になる。
「何だろう?僕のいうこと聞いてくれないのに……最近膝にも来てくれないし」
「反抗期かしら?」
「あー、あるある。チビは拗ねるんだよ。うちの狐たちもあった!」
「そうなの?」
「誰かが面倒見てたんだけどさ、雪翔の狐はみんなチビだろ?だから、航平が兄ちゃんに見えるんじゃないか?」
そんなものなのかな?と他の料理も小皿にとって、二人に説明しながら食事を進めていくと、那智が気分が良くなったのか紫狐を呼びつけ、何やらヒソヒソと話をしている。
「しーちゃんなんだったの?」
「金と銀はまだ寝てますよね?」
「うん。感じからするとそう見たい」
「だったら、煌輝君、ひーちゃんはちょっとこっちに来てください。那智様がお呼びですのでー」と言いながら、部屋の外に出ていく。
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