58 / 76
非日常
.
しおりを挟む
「まぁ、状況はわからねーけど、後から航平を送り届けりゃいいんだろ?」
「玲さん、お願いね?」
「お、おう……大丈夫だ。心配すんな」
と玲に頭を撫でられ、秋彪と玲が道を繋いでくれると言うので任せていたら、狐の国まですぐに着いた。
「社から社ならば奴らでも簡単じゃろうが、狐の国までつなげる力が付いたか……それか冬弥の気が残ってたからそれを利用したかじゃな」
「お爺ちゃん、何があったのかな……また僕の……」
「雪翔は心配しすぎじゃ。冬弥達を信じてやれ」
「うん」
玄関の門を入ると、すぐに京弥と幸、周太郎が駆け付けてきた。
「早く入ってください。お部屋はそのままにしてありますからね」
「幸さん赤ちゃんは?」
「今寝てるの。後で遊んであげてね」
「うん。でも、京弥さん仕事は?」
「連絡を受けて帰ってきました。昴さんもそのうちくると思うんですけど」
「そんなに大事なの?もし、僕が関係してるなら、僕帰らなきゃ」
「待て待て。早るな……とにかく中に入って落ち着くんじゃ。周太郎、雪翔を連れてって行ってくれ。京弥、雪翔に付いててやってくれんか?」
「分かりました」
部屋に連れていかれ、とにかく落ち着けと言われる。
「何があったのかな?」
「連絡が来るまで待とう。なにか本でも読むかい?」
「そんな呑気に!」
「雪翔君、何もわからないのに動いて冬弥の邪魔になるのと、ここから出て足で纏いになるの。どっちが良い?」
「それは……」
「でしょ?ほら、この部屋の本棚にも何冊か増やしておいたんだ。こんなのどう?」
渡された本は陰陽師のマークについての本と書かれていた。
「ね?興味あるでしょ?」
「うん……まだないこと多くって探してたんだ」
「前にも言ってたから集めておいたんだ。私も読んだんだけど、その首にある痣との関係は分からなかったけど、雪翔君なら何かわかるかも知れないねぇ」
「はい……」
「四郎、周太郎にお茶を持ってきてくれるように言ってくれるかい?ここは大丈夫だから」
『畏まりました』
「え?居たんなら出てきてくれたらいいのに」
「基本的には陰から守ってくれる一族だからね。特別な時以外は許してやっておくれ」
その後は周太郎がお茶を二人分持ってきてくれ、いつもと同じように何かあったら呼んでくれと言われる。
本は五行の法則などが書いてあり、木火土金水で星のマークが描かれている。見たところでピンと来ないが、これは覚えておこうと頭に叩き込む。
その後、青龍・白虎・朱雀・玄武と東西南北と色が書いてあり、段々と頭の中がこんがらがってきたので、メモ用紙に書き留める。
「何か分かったかい?」
「いえ……この図形は僕の痣と同じで、この四種類の朱雀とかって洞窟で見たのと同じだから……書いておこうと思って。すぐに覚えられそうにないから」
「そうやって段々覚えていって、謎が解けるといいんだけどね」
「そうだけど、これだけじゃまだ何にも分からなくって」
「何でもすぐには分からないさ。学校の勉強でも繰り返しするだろう?それに近いんじゃないかな?」
「はい」
「焦ることは無いよ?」
「分かってるんですけど、どうして僕にあの人は執着するのかなって思って。それに本人は出てこないなんて卑怯だし」
「ほらほら、イライラしない!雪翔君がイライラすると、中の狐たちにも影響が出るよ?」
「玲さん、お願いね?」
「お、おう……大丈夫だ。心配すんな」
と玲に頭を撫でられ、秋彪と玲が道を繋いでくれると言うので任せていたら、狐の国まですぐに着いた。
「社から社ならば奴らでも簡単じゃろうが、狐の国までつなげる力が付いたか……それか冬弥の気が残ってたからそれを利用したかじゃな」
「お爺ちゃん、何があったのかな……また僕の……」
「雪翔は心配しすぎじゃ。冬弥達を信じてやれ」
「うん」
玄関の門を入ると、すぐに京弥と幸、周太郎が駆け付けてきた。
「早く入ってください。お部屋はそのままにしてありますからね」
「幸さん赤ちゃんは?」
「今寝てるの。後で遊んであげてね」
「うん。でも、京弥さん仕事は?」
「連絡を受けて帰ってきました。昴さんもそのうちくると思うんですけど」
「そんなに大事なの?もし、僕が関係してるなら、僕帰らなきゃ」
「待て待て。早るな……とにかく中に入って落ち着くんじゃ。周太郎、雪翔を連れてって行ってくれ。京弥、雪翔に付いててやってくれんか?」
「分かりました」
部屋に連れていかれ、とにかく落ち着けと言われる。
「何があったのかな?」
「連絡が来るまで待とう。なにか本でも読むかい?」
「そんな呑気に!」
「雪翔君、何もわからないのに動いて冬弥の邪魔になるのと、ここから出て足で纏いになるの。どっちが良い?」
「それは……」
「でしょ?ほら、この部屋の本棚にも何冊か増やしておいたんだ。こんなのどう?」
渡された本は陰陽師のマークについての本と書かれていた。
「ね?興味あるでしょ?」
「うん……まだないこと多くって探してたんだ」
「前にも言ってたから集めておいたんだ。私も読んだんだけど、その首にある痣との関係は分からなかったけど、雪翔君なら何かわかるかも知れないねぇ」
「はい……」
「四郎、周太郎にお茶を持ってきてくれるように言ってくれるかい?ここは大丈夫だから」
『畏まりました』
「え?居たんなら出てきてくれたらいいのに」
「基本的には陰から守ってくれる一族だからね。特別な時以外は許してやっておくれ」
その後は周太郎がお茶を二人分持ってきてくれ、いつもと同じように何かあったら呼んでくれと言われる。
本は五行の法則などが書いてあり、木火土金水で星のマークが描かれている。見たところでピンと来ないが、これは覚えておこうと頭に叩き込む。
その後、青龍・白虎・朱雀・玄武と東西南北と色が書いてあり、段々と頭の中がこんがらがってきたので、メモ用紙に書き留める。
「何か分かったかい?」
「いえ……この図形は僕の痣と同じで、この四種類の朱雀とかって洞窟で見たのと同じだから……書いておこうと思って。すぐに覚えられそうにないから」
「そうやって段々覚えていって、謎が解けるといいんだけどね」
「そうだけど、これだけじゃまだ何にも分からなくって」
「何でもすぐには分からないさ。学校の勉強でも繰り返しするだろう?それに近いんじゃないかな?」
「はい」
「焦ることは無いよ?」
「分かってるんですけど、どうして僕にあの人は執着するのかなって思って。それに本人は出てこないなんて卑怯だし」
「ほらほら、イライラしない!雪翔君がイライラすると、中の狐たちにも影響が出るよ?」
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
下宿屋 東風荘 4
浅井 ことは
キャラ文芸
下宿屋 東風荘4
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
大きくなった下宿に総勢20人の高校生と大学生が入ることになり、それを手伝いながら夜間の学校に通うようになった雪翔。
天狐の義父に社狐の継母、叔父の社狐の那智に祖父母の溺愛を受け、どんどん甘やかされていくがついに反抗期____!?
ほのぼの美味しいファンタジー。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
表紙・挿絵:深月くるみ様
イラストの無断転用は固くお断りさせて頂いております。
☆マークの話は挿絵入りです。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
アルファポリス文庫より、書籍発売中です!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる