44 / 76
夏休み~狐一族温泉観光ツアー後編~
.
しおりを挟む
「いつの時代のだろう?」
「昴さんならわかると思いますけど、まだ後ろの方で騒いでますねぇ」
「何かあるのかな?」
「見に行きます?」
「ここからでも見えないことはないけど、祠?かな?」
「おーい、河童と亀のミイラって書いてあるぞー。雪翔降りてこい」
と昴さんに言われ、ちらっと冬弥を見ると笑っていたので「待ってて」と声をかける。
「周太郎さんいい?」
「はい。背に乗ってください」
おんぶして貰ってすぐ横の階段を降りてもらうと、祠の前でしゃがんでくれる。
「えー?ほんとにミイラなのかな?ただの木にしか見えないよ?」
祠の周りの石畳には五円や十円、百円などの小銭が沢山置かれ、通る人みんなが拝んでいく。
「立て札も無いし、なにかのご利益あるのかな……って、お爺ちゃん達まで拝んでどうするの!」
「みんなしとるだろう?健康を祈っておるが、違うのか?」
「ち、違うと思う」
お爺ちゃん達に隠れて見えなかったが、おばあちゃん達も小銭を置いて手を合わせている。
「元気な赤ちゃんが生まれますように」などと、安産祈願しているので、それも違う気がすると、周太郎に車椅子まで戻ってもらい、写真を撮ってから次に進むことにした。
「待たなくていいの?」
「何かのミイラらしきものに、安産祈願とかしてて。うん、放っておいたほうがいいと思う」
「うちの両親までって恥ずかしいわ……」
「まぁまぁ、気持ちだと思いますから。次どうします? 」
二手にわかれた入り口を見て、看板には『玄武』『青龍と書かれている』
「途中で合流できたよね?」
「地図ではどちら周りでも二つ見ることができますからねぇ。その先に喫茶店とお土産屋さんに、食堂もあるみたいです。みんなとはそこで待ち合わせにしましょうか」
「うん。どっちも見られるんだったらこのまま左から進んでもいい?」
「では行きましょうか」
そのまま青龍から見て回ることにし、中に入るとやはり青を基調にライトアップされている。
「綺麗ねぇ、幻想的ってこういう感じなのかしら」
「そうですねぇ。栞さん寒くないです?」
「はい。それよりもあそこの隅にある小さな鍾乳石、何か見たことありません?」
「これですか?」
「なんか宇宙人みたい……」
「あ!前に雪翔が見ていた映画の!」
「エイリアン?」
「それです!似てませんか?こう、頭がニョキっと後ろに長いところとか」
「そう言われたらそう見えるけど、航平ちゃんわかる?」
「角度によっては。緑のライトの時はそれっぽいな。写真撮れるかな?」
と、携帯のカメラで悪戦苦闘している間に、周太郎に支えてもらって乗り出して見る。
「猿っぽくない?」
「ぼっちゃん、私にはそのエイリアンが分からないのですが、カッパにも見えませんか?」
「なんにでも見えるのがある意味すごいかも」
「昴さんならわかると思いますけど、まだ後ろの方で騒いでますねぇ」
「何かあるのかな?」
「見に行きます?」
「ここからでも見えないことはないけど、祠?かな?」
「おーい、河童と亀のミイラって書いてあるぞー。雪翔降りてこい」
と昴さんに言われ、ちらっと冬弥を見ると笑っていたので「待ってて」と声をかける。
「周太郎さんいい?」
「はい。背に乗ってください」
おんぶして貰ってすぐ横の階段を降りてもらうと、祠の前でしゃがんでくれる。
「えー?ほんとにミイラなのかな?ただの木にしか見えないよ?」
祠の周りの石畳には五円や十円、百円などの小銭が沢山置かれ、通る人みんなが拝んでいく。
「立て札も無いし、なにかのご利益あるのかな……って、お爺ちゃん達まで拝んでどうするの!」
「みんなしとるだろう?健康を祈っておるが、違うのか?」
「ち、違うと思う」
お爺ちゃん達に隠れて見えなかったが、おばあちゃん達も小銭を置いて手を合わせている。
「元気な赤ちゃんが生まれますように」などと、安産祈願しているので、それも違う気がすると、周太郎に車椅子まで戻ってもらい、写真を撮ってから次に進むことにした。
「待たなくていいの?」
「何かのミイラらしきものに、安産祈願とかしてて。うん、放っておいたほうがいいと思う」
「うちの両親までって恥ずかしいわ……」
「まぁまぁ、気持ちだと思いますから。次どうします? 」
二手にわかれた入り口を見て、看板には『玄武』『青龍と書かれている』
「途中で合流できたよね?」
「地図ではどちら周りでも二つ見ることができますからねぇ。その先に喫茶店とお土産屋さんに、食堂もあるみたいです。みんなとはそこで待ち合わせにしましょうか」
「うん。どっちも見られるんだったらこのまま左から進んでもいい?」
「では行きましょうか」
そのまま青龍から見て回ることにし、中に入るとやはり青を基調にライトアップされている。
「綺麗ねぇ、幻想的ってこういう感じなのかしら」
「そうですねぇ。栞さん寒くないです?」
「はい。それよりもあそこの隅にある小さな鍾乳石、何か見たことありません?」
「これですか?」
「なんか宇宙人みたい……」
「あ!前に雪翔が見ていた映画の!」
「エイリアン?」
「それです!似てませんか?こう、頭がニョキっと後ろに長いところとか」
「そう言われたらそう見えるけど、航平ちゃんわかる?」
「角度によっては。緑のライトの時はそれっぽいな。写真撮れるかな?」
と、携帯のカメラで悪戦苦闘している間に、周太郎に支えてもらって乗り出して見る。
「猿っぽくない?」
「ぼっちゃん、私にはそのエイリアンが分からないのですが、カッパにも見えませんか?」
「なんにでも見えるのがある意味すごいかも」
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
下宿屋 東風荘 4
浅井 ことは
キャラ文芸
下宿屋 東風荘4
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
大きくなった下宿に総勢20人の高校生と大学生が入ることになり、それを手伝いながら夜間の学校に通うようになった雪翔。
天狐の義父に社狐の継母、叔父の社狐の那智に祖父母の溺愛を受け、どんどん甘やかされていくがついに反抗期____!?
ほのぼの美味しいファンタジー。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
表紙・挿絵:深月くるみ様
イラストの無断転用は固くお断りさせて頂いております。
☆マークの話は挿絵入りです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
アルファポリス文庫より、書籍発売中です!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる