42 / 76
夏休み~狐一族温泉観光ツアー後編~
.
しおりを挟む
本来ガラスのハマっているはずの所は解放されており、各席が鉄の棒で区切られていて、身を乗り出さないでくださいとの案内板を無視して、那智と夏樹はほぼ腰を掛けている状態だった。
「僕達が一番まともかも」
「雪翔もするか?」
「危ないからしないもん」
「これ、見られたら不味くないですか?」と航平が言うと、しっかり自分達で人間からはただ座ってるようにしか見えないようにしてあるという。
「自信満々に言われても……みんな僕達より子供じゃん!」
「雪翔、すまん!」
「航平ちゃ……!やめてーーー!」
みんなに乗らされ、航平までも窓に腰掛けヒャッホー!と身を乗りだて遊んでいる。
ポカーンとしていたら、栞の母が「雪翔君、家のおじいさんもごめんね」とお茶をくれた。
「もう、信じられない。お爺ちゃんたちがあんなにはしゃぐのもだけど」
「人間も狐の国も男の人はいつまでも子供ってところは変わらないわよ?冬弥さんももし怪我してなかったら……」とちらっと見ると「ふふっ」と笑って席に戻ってしまった。
「まさかだけど……」
「何ですか?楽しそうですよねぇ。私も屋根に……「駄目!」
「もし、屋根に乗ったら赤ちゃんにオジサンて教えるからね?僕が育てるから!」
「それはダメです。みんなで育てましょう」
「だったら冬弥さんが乗ったらダメだよね?」
「冬弥様?」
と、栞がお腹をさすっている。
さすがにそれが効いたのか、残念です!景色を楽しむことにします。と大人しくしていてくれるようだった。
途中トンネルをいくつか抜け、横が川だったり森林だったり、遠くに滝まで見え、景色が綺麗なのでといくつか写真に撮り、目的地につくまでにと鍾乳洞について調べる。
「冬弥さん、ここ。車椅子と歩行と分かれてるところなんだけど……」
「周太郎をつけます。重次は栞さんに。三郎と四郎も一人ずつ分けてつけますが、他にあります?」
「中にカフェって書いてあるの。喫茶店かな?」
「ですが、鍾乳洞の中には作れませんよね?少し外れたところにあるので、掘って作ったのかも知れませんねぇ。お昼ここにします?」
「うん、涼しいかな?」
「天然の冷房ですね。今から楽しみですねぇ」
列車がつき、またおぶって貰っておりてから車椅子に座り、出口でみんなが集まるのを待つ。
「なんか、バスツアーみたいだね?」
「何じゃそれは?」
「バスで大勢の人が一緒に同じところ見に行くの。そんな感じかな?」
「それならガイドがいるだろ?」
「航平ちゃんしてよ」
「俺は鍾乳洞は詳しくないよ?」
「えー!」
「鍾乳洞と言えば、俺の滝の裏にも洞窟はあるぞ?」
「昴さん、あれとは温度が全然違いますよ?それに、あそこって勝手に掘りましたよね?」
「バレたか!少しは自然と出来てたんだが、面白いから掘ってみた。滝の裏だから涼しいぞ?」
「あの穴掘ったのか?ありゃ、儂が開けた穴じゃ。滝を割る術の練習をしとって空いたんじゃが……」
「自然じゃなかったのかよ……」
「すまんな!」
二人のやりとりに笑いながら、鍾乳洞のチケットを買い、案内の地図をもらってエレベーターで降りる。
「ごめんね、周太郎さんたちも歩いていきたかったよね」
「中の入口は同じでしょう?楽ができました」
「三郎さんも見たことないの?」
「はい。地図だけは頭にもう入れましたが、天井が低いところがあると書いてありますね」
「上から水滴が落ちてくるって聞いたことあるよ?」
「僕達が一番まともかも」
「雪翔もするか?」
「危ないからしないもん」
「これ、見られたら不味くないですか?」と航平が言うと、しっかり自分達で人間からはただ座ってるようにしか見えないようにしてあるという。
「自信満々に言われても……みんな僕達より子供じゃん!」
「雪翔、すまん!」
「航平ちゃ……!やめてーーー!」
みんなに乗らされ、航平までも窓に腰掛けヒャッホー!と身を乗りだて遊んでいる。
ポカーンとしていたら、栞の母が「雪翔君、家のおじいさんもごめんね」とお茶をくれた。
「もう、信じられない。お爺ちゃんたちがあんなにはしゃぐのもだけど」
「人間も狐の国も男の人はいつまでも子供ってところは変わらないわよ?冬弥さんももし怪我してなかったら……」とちらっと見ると「ふふっ」と笑って席に戻ってしまった。
「まさかだけど……」
「何ですか?楽しそうですよねぇ。私も屋根に……「駄目!」
「もし、屋根に乗ったら赤ちゃんにオジサンて教えるからね?僕が育てるから!」
「それはダメです。みんなで育てましょう」
「だったら冬弥さんが乗ったらダメだよね?」
「冬弥様?」
と、栞がお腹をさすっている。
さすがにそれが効いたのか、残念です!景色を楽しむことにします。と大人しくしていてくれるようだった。
途中トンネルをいくつか抜け、横が川だったり森林だったり、遠くに滝まで見え、景色が綺麗なのでといくつか写真に撮り、目的地につくまでにと鍾乳洞について調べる。
「冬弥さん、ここ。車椅子と歩行と分かれてるところなんだけど……」
「周太郎をつけます。重次は栞さんに。三郎と四郎も一人ずつ分けてつけますが、他にあります?」
「中にカフェって書いてあるの。喫茶店かな?」
「ですが、鍾乳洞の中には作れませんよね?少し外れたところにあるので、掘って作ったのかも知れませんねぇ。お昼ここにします?」
「うん、涼しいかな?」
「天然の冷房ですね。今から楽しみですねぇ」
列車がつき、またおぶって貰っておりてから車椅子に座り、出口でみんなが集まるのを待つ。
「なんか、バスツアーみたいだね?」
「何じゃそれは?」
「バスで大勢の人が一緒に同じところ見に行くの。そんな感じかな?」
「それならガイドがいるだろ?」
「航平ちゃんしてよ」
「俺は鍾乳洞は詳しくないよ?」
「えー!」
「鍾乳洞と言えば、俺の滝の裏にも洞窟はあるぞ?」
「昴さん、あれとは温度が全然違いますよ?それに、あそこって勝手に掘りましたよね?」
「バレたか!少しは自然と出来てたんだが、面白いから掘ってみた。滝の裏だから涼しいぞ?」
「あの穴掘ったのか?ありゃ、儂が開けた穴じゃ。滝を割る術の練習をしとって空いたんじゃが……」
「自然じゃなかったのかよ……」
「すまんな!」
二人のやりとりに笑いながら、鍾乳洞のチケットを買い、案内の地図をもらってエレベーターで降りる。
「ごめんね、周太郎さんたちも歩いていきたかったよね」
「中の入口は同じでしょう?楽ができました」
「三郎さんも見たことないの?」
「はい。地図だけは頭にもう入れましたが、天井が低いところがあると書いてありますね」
「上から水滴が落ちてくるって聞いたことあるよ?」
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
下宿屋 東風荘 4
浅井 ことは
キャラ文芸
下宿屋 東風荘4
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
大きくなった下宿に総勢20人の高校生と大学生が入ることになり、それを手伝いながら夜間の学校に通うようになった雪翔。
天狐の義父に社狐の継母、叔父の社狐の那智に祖父母の溺愛を受け、どんどん甘やかされていくがついに反抗期____!?
ほのぼの美味しいファンタジー。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
表紙・挿絵:深月くるみ様
イラストの無断転用は固くお断りさせて頂いております。
☆マークの話は挿絵入りです。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
アルファポリス文庫より、書籍発売中です!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる