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夏休み~狐一族温泉観光ツアー後編~
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荷物はみんなが分けて持ってくれ、先にいらない荷物だけ何匹かの狐に渡し、家まで運んでもらうという。
「航平ちゃん、トロッコ乗ったことある?」
「無いよ。山頂まで行けるって書いてあったし、どのくらい時間かかるんだろうね?」
パンフレットを見ると30分と書いてあったので、そんなに高いところまでは行かないのだろうと予想して、チェックアウトに向かう。
「早乙女様、またのご利用お待ちしております」と受付の人に言われ、ゆっくり歩いてトロッコの発着場まで行く。
「あれ?看板みて……鍾乳洞って書いてあるよ?」
「ホントだ。ちょっと待って……」
航平がスマホで検索してくれ、中は車椅子でも進めるようになっていると書かれていたので、みんなに行きたいと告げる。
「洞窟にか?」
「鍾乳洞だってば。お爺ちゃん行こうよー」
「そうじゃな。じゃが、まずは列車じゃ。儂も楽しみでのぅ」
バスでトロッコ乗り場の近くまで行き、歩いて行くと、既に列車は停まっていてスマホで写真を撮る。
「雪翔、写真撮ろうか?」
「一緒に撮ろうよ」
そう言って、車椅子を押してくれていた周太郎にボタンの押し方を教え、一緒に撮ってもらう。
看板の前で団体の人たちが記念写真を撮っているのを見て、那智さんにみんなは写真に映ることが出来るのかと聞く。
「写るように俺達が気を流せばいいだけだが、あれか?」
「うん、折角三家族で来たんだし、駄目かな?」
「分かった。だったら、撮ってもらえるみたいだから頼んでくるか?」
「僕行ってくる!」
航平と一緒に、人数を言うとすぐに撮れるというのでみんなを手招きする。
「こちらで撮ります。お帰りの際に受付でお渡しできますので、枚数とお名前を書いてもらえますか?」
言われたとおりに早乙女と書いて、何枚いる?と聞くとみんなが欲しがったので、各家族と合わせて10枚頼む。
「では並んでください。車椅子のお坊ちゃんが真ん中と思って左右と後ろに……はい、では撮りまーす」
カシャッ!
「ありがとうございました。ではトロッコ列車の旅をお楽しみ下さい」
チケットを団体で買い、来た列車に乗る時に、周太郎と三郎が手伝ってくれ、窓際に座る。
「窓にガラスがないよ?この森を抜けるんだよね?」
「そんなにはしゃがないでも、自然と列車は逃げませんよ?」
「でも、お爺ちゃんたちのがすごいよ?」
見ると既に兄弟でこんな箱が山を登るのか!と栞の父親まで巻き込んで騒いでいる。
そんな中、意外にも京弥と夏樹も運転席の前に陣取り、運転席を覗き込んでいる。
「まぁ、団体なので私たちだけだってことが救いですよねぇ」
「え?うん。後ろも騒いでるけどね」と栞たち女性陣も見る。
「こんなに皆が集まって楽しむのは初めてなので、私も嬉しくて仕方ないんですよ?」
「毎年来れたらいいのにね」
「毎年コンテスト出ます?」
「それは嫌だよ。恥ずかしいもん」
「航平ちゃん、トロッコ乗ったことある?」
「無いよ。山頂まで行けるって書いてあったし、どのくらい時間かかるんだろうね?」
パンフレットを見ると30分と書いてあったので、そんなに高いところまでは行かないのだろうと予想して、チェックアウトに向かう。
「早乙女様、またのご利用お待ちしております」と受付の人に言われ、ゆっくり歩いてトロッコの発着場まで行く。
「あれ?看板みて……鍾乳洞って書いてあるよ?」
「ホントだ。ちょっと待って……」
航平がスマホで検索してくれ、中は車椅子でも進めるようになっていると書かれていたので、みんなに行きたいと告げる。
「洞窟にか?」
「鍾乳洞だってば。お爺ちゃん行こうよー」
「そうじゃな。じゃが、まずは列車じゃ。儂も楽しみでのぅ」
バスでトロッコ乗り場の近くまで行き、歩いて行くと、既に列車は停まっていてスマホで写真を撮る。
「雪翔、写真撮ろうか?」
「一緒に撮ろうよ」
そう言って、車椅子を押してくれていた周太郎にボタンの押し方を教え、一緒に撮ってもらう。
看板の前で団体の人たちが記念写真を撮っているのを見て、那智さんにみんなは写真に映ることが出来るのかと聞く。
「写るように俺達が気を流せばいいだけだが、あれか?」
「うん、折角三家族で来たんだし、駄目かな?」
「分かった。だったら、撮ってもらえるみたいだから頼んでくるか?」
「僕行ってくる!」
航平と一緒に、人数を言うとすぐに撮れるというのでみんなを手招きする。
「こちらで撮ります。お帰りの際に受付でお渡しできますので、枚数とお名前を書いてもらえますか?」
言われたとおりに早乙女と書いて、何枚いる?と聞くとみんなが欲しがったので、各家族と合わせて10枚頼む。
「では並んでください。車椅子のお坊ちゃんが真ん中と思って左右と後ろに……はい、では撮りまーす」
カシャッ!
「ありがとうございました。ではトロッコ列車の旅をお楽しみ下さい」
チケットを団体で買い、来た列車に乗る時に、周太郎と三郎が手伝ってくれ、窓際に座る。
「窓にガラスがないよ?この森を抜けるんだよね?」
「そんなにはしゃがないでも、自然と列車は逃げませんよ?」
「でも、お爺ちゃんたちのがすごいよ?」
見ると既に兄弟でこんな箱が山を登るのか!と栞の父親まで巻き込んで騒いでいる。
そんな中、意外にも京弥と夏樹も運転席の前に陣取り、運転席を覗き込んでいる。
「まぁ、団体なので私たちだけだってことが救いですよねぇ」
「え?うん。後ろも騒いでるけどね」と栞たち女性陣も見る。
「こんなに皆が集まって楽しむのは初めてなので、私も嬉しくて仕方ないんですよ?」
「毎年来れたらいいのにね」
「毎年コンテスト出ます?」
「それは嫌だよ。恥ずかしいもん」
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