27 / 76
夏休み~狐一族温泉観光ツアー前編~
.
しおりを挟む
紫狐と桜狐、雫はデザートの用意。
水狐と籃狐は畑に野菜を取りに行き、翡翠はいちごだけを洗っている。
「何作るの?」
「お肉が多く残ってまして、今アスパラなど採ってきてもらってるので、豚肉のアスパラ巻きは決定ですね。後はカレーは残ったら冷凍できるのでカレーとサラダ。卵もあるのでカボチャの残り物でキッシュを栞さんが作ってくれてます。他に食べたいのあります?」
「鶏肉ありますか?」
「胸肉しかないですよ?」
「ハーブで蒸したらどうでしょう?」
「良いですね。サラダの上に乗せちゃいましょうか」
「俺作ります」
「僕も!」
キッチンはいっぱいだから、座っててくれと言われ、暇なので金と銀とテレビを見ようとつける。
ぎゅっとキーホルダーを握って、白達にも呼びかける。
《そんなに強く握らずとも、主とは繋がっておるので離れていても駆けつけられる》
《何か問題でも?》
《明日から旅行なんだ。この前のバス停であった人覚えてる?》
《何やら人の匂いではなかったもの…… 》
《だが、害はなさそうに見えたが……》
《あの人近くにいる気がするんだ。旅行中見張っててくれないかな?》
《御意。何かあれば報告する》
《うん、ありがとう》
「雪翔君どうしたの?ボーッとしちゃって」
「え?そう?何でもないよ?」
「ならいいんだけど、話しかけても反応しないからどうしたのかと思っちゃった」
「それって……どの位?」
「5分くらいかしら?」
「そんなに……?」
「雪翔、白達と話してたんですか?」
「う、うん。旅行だからって報告」
「それにしては時間かかってましたねぇ」
「僕そんなに長く話してないんだけど」
「もう少し練習したらどうですか?まだ慣れてないだけだと思いますけど、意識が飛んだままは危険です」
「そうだよね。金たちとは上手くいくんだけど……」
遊び出した金と銀を呼んで少し話をするが、答えは外に出ていないから。
それだけだとわからないと思い、次の報告を聞く時には、金たちにそばにいてもらうことにしようと決めた。
「そろそろ出来ますから、お皿だしてください」
「僕やる!」
みんなの分のお皿を並べ、コップとお茶のボトルも出し、テーブルに乗せていく。
ハーブの蒸し鶏はまだ解されておらず、とてもいい匂いがしていた。
「航平ちゃん凄いね。美味しそう」
「取り分ける時に切り分けてるんだけど、切っておいた方が良かった?」
「航平ちゃん切ってね?」
「了解。カレーももう出来るみたいだし、狐ちゃんたちはどこで食べるの?」
「あっちのテーブルでみんな食べるよ。金たち最近行儀も良くなってきたし、翡翠はまだこぼすけど、下に新聞敷いたら片付けも楽なんだ」
「雪翔も充分パパみたいじゃないか」
「そう?でもしーちゃんがいつも見てくれてるから、僕はたまにだよ?」
ボウルにサラダを盛り付けている紫狐が、そんなことないですぅと、フリフリとしだし、それを人睨みで辞めさせる桜狐。
力関係は桜狐の勝ちのようだ。
「ほらほら、みんな手伝ってください。籃狐も運んでくださいよ?桜狐は怒らない!」
出来上がりと同時に、ぬっと漆と琥珀が出てきて、リビングのテーブルに翡翠と先に居座る。
それを見て狐たちみんなが先に漆と琥珀に料理を出していた。
水狐と籃狐は畑に野菜を取りに行き、翡翠はいちごだけを洗っている。
「何作るの?」
「お肉が多く残ってまして、今アスパラなど採ってきてもらってるので、豚肉のアスパラ巻きは決定ですね。後はカレーは残ったら冷凍できるのでカレーとサラダ。卵もあるのでカボチャの残り物でキッシュを栞さんが作ってくれてます。他に食べたいのあります?」
「鶏肉ありますか?」
「胸肉しかないですよ?」
「ハーブで蒸したらどうでしょう?」
「良いですね。サラダの上に乗せちゃいましょうか」
「俺作ります」
「僕も!」
キッチンはいっぱいだから、座っててくれと言われ、暇なので金と銀とテレビを見ようとつける。
ぎゅっとキーホルダーを握って、白達にも呼びかける。
《そんなに強く握らずとも、主とは繋がっておるので離れていても駆けつけられる》
《何か問題でも?》
《明日から旅行なんだ。この前のバス停であった人覚えてる?》
《何やら人の匂いではなかったもの…… 》
《だが、害はなさそうに見えたが……》
《あの人近くにいる気がするんだ。旅行中見張っててくれないかな?》
《御意。何かあれば報告する》
《うん、ありがとう》
「雪翔君どうしたの?ボーッとしちゃって」
「え?そう?何でもないよ?」
「ならいいんだけど、話しかけても反応しないからどうしたのかと思っちゃった」
「それって……どの位?」
「5分くらいかしら?」
「そんなに……?」
「雪翔、白達と話してたんですか?」
「う、うん。旅行だからって報告」
「それにしては時間かかってましたねぇ」
「僕そんなに長く話してないんだけど」
「もう少し練習したらどうですか?まだ慣れてないだけだと思いますけど、意識が飛んだままは危険です」
「そうだよね。金たちとは上手くいくんだけど……」
遊び出した金と銀を呼んで少し話をするが、答えは外に出ていないから。
それだけだとわからないと思い、次の報告を聞く時には、金たちにそばにいてもらうことにしようと決めた。
「そろそろ出来ますから、お皿だしてください」
「僕やる!」
みんなの分のお皿を並べ、コップとお茶のボトルも出し、テーブルに乗せていく。
ハーブの蒸し鶏はまだ解されておらず、とてもいい匂いがしていた。
「航平ちゃん凄いね。美味しそう」
「取り分ける時に切り分けてるんだけど、切っておいた方が良かった?」
「航平ちゃん切ってね?」
「了解。カレーももう出来るみたいだし、狐ちゃんたちはどこで食べるの?」
「あっちのテーブルでみんな食べるよ。金たち最近行儀も良くなってきたし、翡翠はまだこぼすけど、下に新聞敷いたら片付けも楽なんだ」
「雪翔も充分パパみたいじゃないか」
「そう?でもしーちゃんがいつも見てくれてるから、僕はたまにだよ?」
ボウルにサラダを盛り付けている紫狐が、そんなことないですぅと、フリフリとしだし、それを人睨みで辞めさせる桜狐。
力関係は桜狐の勝ちのようだ。
「ほらほら、みんな手伝ってください。籃狐も運んでくださいよ?桜狐は怒らない!」
出来上がりと同時に、ぬっと漆と琥珀が出てきて、リビングのテーブルに翡翠と先に居座る。
それを見て狐たちみんなが先に漆と琥珀に料理を出していた。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
下宿屋 東風荘 4
浅井 ことは
キャラ文芸
下宿屋 東風荘4
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
大きくなった下宿に総勢20人の高校生と大学生が入ることになり、それを手伝いながら夜間の学校に通うようになった雪翔。
天狐の義父に社狐の継母、叔父の社狐の那智に祖父母の溺愛を受け、どんどん甘やかされていくがついに反抗期____!?
ほのぼの美味しいファンタジー。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
表紙・挿絵:深月くるみ様
イラストの無断転用は固くお断りさせて頂いております。
☆マークの話は挿絵入りです。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
アルファポリス文庫より、書籍発売中です!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる