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夏休み~狐一族温泉観光ツアー前編~
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「冬弥さんは?」
「今日はお社に行ってるの。航平君は二日酔いみたいよ?」
「そうなの?今日は何人分?」
「16人ね。もう私ではレパートリーが無くて……それに暑いでしょう?なにかスタミナ料理でもと思って借りてきてもらったんだけど、今夜読むわ」
「今夜は何にするの?」
「定番のハンバーグ。付け合せの野菜を切って茹でてくれる?」
「うん。サラダの野菜はとってこなくていいのかな?」
「朝のがあるから大丈夫よ」
人参をスライサーで細く千切りにし、付け合せ用は五センチほどに切って茹でる。
ブロッコリーも茹で、茎の硬いところを取って適度な大きさに切り、玉ねぎとコーンを入れてコンソメスープを作る。
結局付け合せにはブロッコリーと人参にじゃがいもとなり、スープにブロッコリーの茎と玉ねぎにコーン、そしてハンバーグとトマトのサラダ。
ご飯は少なめに炊いたが、スープは多め。
流石にお腹の大きな栞に運ばせるわけにも行かず、海都が通りかかったので運ぶのを手伝ってもらう。
「ごめんね、忙しかった?」
「自販機にジュース買いに来ただけだから。冬弥さんいないの?」
「うん、用事で遅くなるみたいなんだ」
「スープ鍋とご飯だろ、お茶のヤカンも運んどくよ」
「ありがとう」
「それよりさ、立てるようになったんだって?」
「え?誰から聞いたの?」
「航平さん。昨日酔って帰ってきて、自慢してたぞ?」
「立てるって言っても少しだけだよ?捕まっていれば大分歩けるようになったけど、それでも今日も姿勢が悪いこと言われちゃって」
「そうか?」
「前かがみが多くなっちゃうから……」
「ストレッチとかしてるんだろ?」
「うん、ボキボキ言ってるよ」
「ひねり運動加えたら?肩こりとか背中とかの使わない筋肉も動かせるし」
「追加しようかな。せっかく歩行器で歩き回れるようになったから」
準備を終えて、食事のチャイムを鳴らしてから、お皿に付け合せを載せて並べていく。
その横では栞がハンバーグを乗せて取り出し口に置いていき、「大根おろしと、ソースとかは自分でかけてねー」とみんなに声をかけ、一段落したところで自分たちも席につき食事をする。
「栞さん、だいぶお腹目立ってきましたね」
「そうなの。だから重いものとか持てなくて」
「俺たちいる時は手伝うんで」
隆弘や賢司に海都と昔から下宿にいる者達は勿論、ほかの人たちも手伝ってくれるというのでありがたい。
「産休はどうするんですか?」との質問に、ギリギリまで働くという栞。
「だって、体は元気なんですもの」
「冬弥さんいない時は僕も作るから」
「雪翔、まず運べるのか?」
「隆弘さんの意地悪!それはみんなにお願いするとして、立てるようになってきたからオーブンも使えるかな?」
「危ないからやめておけよ。その時はなんとか俺たちでもするし、毎日冬弥さんがいないわけでもないんだからさ」
「わかってるんだけど、出来る気もするんだもん」
「無理すんな。最悪ラーメンなら作れるぞ」
「隆弘さん、もしかして……」
「あ、こいつのラーメンと言うより、料理が壊滅的だから」
「そんなことは無い!」
「今日はお社に行ってるの。航平君は二日酔いみたいよ?」
「そうなの?今日は何人分?」
「16人ね。もう私ではレパートリーが無くて……それに暑いでしょう?なにかスタミナ料理でもと思って借りてきてもらったんだけど、今夜読むわ」
「今夜は何にするの?」
「定番のハンバーグ。付け合せの野菜を切って茹でてくれる?」
「うん。サラダの野菜はとってこなくていいのかな?」
「朝のがあるから大丈夫よ」
人参をスライサーで細く千切りにし、付け合せ用は五センチほどに切って茹でる。
ブロッコリーも茹で、茎の硬いところを取って適度な大きさに切り、玉ねぎとコーンを入れてコンソメスープを作る。
結局付け合せにはブロッコリーと人参にじゃがいもとなり、スープにブロッコリーの茎と玉ねぎにコーン、そしてハンバーグとトマトのサラダ。
ご飯は少なめに炊いたが、スープは多め。
流石にお腹の大きな栞に運ばせるわけにも行かず、海都が通りかかったので運ぶのを手伝ってもらう。
「ごめんね、忙しかった?」
「自販機にジュース買いに来ただけだから。冬弥さんいないの?」
「うん、用事で遅くなるみたいなんだ」
「スープ鍋とご飯だろ、お茶のヤカンも運んどくよ」
「ありがとう」
「それよりさ、立てるようになったんだって?」
「え?誰から聞いたの?」
「航平さん。昨日酔って帰ってきて、自慢してたぞ?」
「立てるって言っても少しだけだよ?捕まっていれば大分歩けるようになったけど、それでも今日も姿勢が悪いこと言われちゃって」
「そうか?」
「前かがみが多くなっちゃうから……」
「ストレッチとかしてるんだろ?」
「うん、ボキボキ言ってるよ」
「ひねり運動加えたら?肩こりとか背中とかの使わない筋肉も動かせるし」
「追加しようかな。せっかく歩行器で歩き回れるようになったから」
準備を終えて、食事のチャイムを鳴らしてから、お皿に付け合せを載せて並べていく。
その横では栞がハンバーグを乗せて取り出し口に置いていき、「大根おろしと、ソースとかは自分でかけてねー」とみんなに声をかけ、一段落したところで自分たちも席につき食事をする。
「栞さん、だいぶお腹目立ってきましたね」
「そうなの。だから重いものとか持てなくて」
「俺たちいる時は手伝うんで」
隆弘や賢司に海都と昔から下宿にいる者達は勿論、ほかの人たちも手伝ってくれるというのでありがたい。
「産休はどうするんですか?」との質問に、ギリギリまで働くという栞。
「だって、体は元気なんですもの」
「冬弥さんいない時は僕も作るから」
「雪翔、まず運べるのか?」
「隆弘さんの意地悪!それはみんなにお願いするとして、立てるようになってきたからオーブンも使えるかな?」
「危ないからやめておけよ。その時はなんとか俺たちでもするし、毎日冬弥さんがいないわけでもないんだからさ」
「わかってるんだけど、出来る気もするんだもん」
「無理すんな。最悪ラーメンなら作れるぞ」
「隆弘さん、もしかして……」
「あ、こいつのラーメンと言うより、料理が壊滅的だから」
「そんなことは無い!」
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