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夏休み~狐一族温泉観光ツアー前編~
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冬弥の術で那智と航平に栞とみんなで戻り、一旦家の中に入る。
「暑いね。向こうのが涼しかったかも」
「取り敢えず窓開けて空気の入れ替えしますから。航平君も荷物置いて窓開けてきなさい。その後で少し話をしましょう」
「分かりました」
「あ、お昼作るわ。だからお昼に来てね」
「はい」
とにかく荷解きをと洗濯するものをカゴに入れ、他は部屋に行ってしまっていると、那智からトロフィーが渡された。
「まぁ、彫ってある字は誰にも読めんし、飾っておけ」
「うん。賞状は?」
「誰かきた時に困るだろうから筒の中に入れて横に置いておけばいいんじゃないか?他のやつよりかなり小さいからな」
「卒業証書の半分位かな?写真は無理だよね」
「いや?術をかけておいてやる。そうすればタダの写真だ」
「えへへっ。何だか部屋って感じしてきた!修学旅行の写真も飾りたいし、みんなで行く温泉の写真も置きたいな」
「なら、一角をそれ専用のスペースにしたらどうだ?」
「うん!」
「雪翔、あの温泉だがな……」
「ん?楽しみだよね。みんなの帰省に合わせるんでしょ?」
「だと思うが、うちの兄はまだしも、親父達連れて行って大丈夫と思うか?」
「うーん、お爺ちゃんもいるし、お婆ちゃんが纏めそうだけどなぁ。変な事言ったら別行動にするとか」
「まぁ、別行動でもいいんだが、あの二人が来るってだけで俺の神経が持たん……」
「大丈夫だよ。それに、団体だからご飯も大きな部屋で食べるでしょ?多少騒がしくても平気だと思うけど」
「まぁ、行ってみないとわからんか」
「ねえねえ、那智さんのお兄さんカッコイイね」
「あいつは昔からモテるんだよ。でも飽きっぽくていかん!が、かなり航平を気に入ってたみたいだな」
「そうなんだ。仲良くなってくれたら僕嬉しいけどなぁ」
「あの二人が並ぶと目立つぞ?」
「みんな目立ってるじゃん。背も高いし、僕なんてチビだよ?みんなに囲まれたら見えなくなっちゃうんだから!」
「那智、雪翔、ご飯できましたよ。そうめんチャンプルーですけど。那智の苦手な人参たっぷり入れておきましたから早く来てくださいよ」
「航平ちゃんは?」
「もう来てますよ。雪翔の式のことが気になるようです」
「白たち出てこれないのかな?紹介したいのに……」
「それは雪翔次第でしょうねぇ。まずはご飯にしましょう」
ダイニングは丁度四人座れるので、一席折りたたみ椅子を出し、真ん中に煮物とサラダに漬物が置かれ、みんなで頂きますと言ってすぐ、横から大量の人参が放り込まれる。
「ほんとに人参嫌いなの?」
「食えるが、こんなにはいらん。残り半分は航平食え!」
そう言って航平のお皿にも人参を入れ、那智のお皿には一つも人参がない状態となってしまった。
「人参だらけ……僕好きだからいいけど」
「俺も平気だけど、本当にダメなんですね人参」
「だから食えるって!早く食え。話しは長くなるぞ?」
「あ、はい」
「全く、前は少しは食べれてたでしょう?」
「前はな。もう飽きるくらい食ったからしばらくはいい」
「暑いね。向こうのが涼しかったかも」
「取り敢えず窓開けて空気の入れ替えしますから。航平君も荷物置いて窓開けてきなさい。その後で少し話をしましょう」
「分かりました」
「あ、お昼作るわ。だからお昼に来てね」
「はい」
とにかく荷解きをと洗濯するものをカゴに入れ、他は部屋に行ってしまっていると、那智からトロフィーが渡された。
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「うん。賞状は?」
「誰かきた時に困るだろうから筒の中に入れて横に置いておけばいいんじゃないか?他のやつよりかなり小さいからな」
「卒業証書の半分位かな?写真は無理だよね」
「いや?術をかけておいてやる。そうすればタダの写真だ」
「えへへっ。何だか部屋って感じしてきた!修学旅行の写真も飾りたいし、みんなで行く温泉の写真も置きたいな」
「なら、一角をそれ専用のスペースにしたらどうだ?」
「うん!」
「雪翔、あの温泉だがな……」
「ん?楽しみだよね。みんなの帰省に合わせるんでしょ?」
「だと思うが、うちの兄はまだしも、親父達連れて行って大丈夫と思うか?」
「うーん、お爺ちゃんもいるし、お婆ちゃんが纏めそうだけどなぁ。変な事言ったら別行動にするとか」
「まぁ、別行動でもいいんだが、あの二人が来るってだけで俺の神経が持たん……」
「大丈夫だよ。それに、団体だからご飯も大きな部屋で食べるでしょ?多少騒がしくても平気だと思うけど」
「まぁ、行ってみないとわからんか」
「ねえねえ、那智さんのお兄さんカッコイイね」
「あいつは昔からモテるんだよ。でも飽きっぽくていかん!が、かなり航平を気に入ってたみたいだな」
「そうなんだ。仲良くなってくれたら僕嬉しいけどなぁ」
「あの二人が並ぶと目立つぞ?」
「みんな目立ってるじゃん。背も高いし、僕なんてチビだよ?みんなに囲まれたら見えなくなっちゃうんだから!」
「那智、雪翔、ご飯できましたよ。そうめんチャンプルーですけど。那智の苦手な人参たっぷり入れておきましたから早く来てくださいよ」
「航平ちゃんは?」
「もう来てますよ。雪翔の式のことが気になるようです」
「白たち出てこれないのかな?紹介したいのに……」
「それは雪翔次第でしょうねぇ。まずはご飯にしましょう」
ダイニングは丁度四人座れるので、一席折りたたみ椅子を出し、真ん中に煮物とサラダに漬物が置かれ、みんなで頂きますと言ってすぐ、横から大量の人参が放り込まれる。
「ほんとに人参嫌いなの?」
「食えるが、こんなにはいらん。残り半分は航平食え!」
そう言って航平のお皿にも人参を入れ、那智のお皿には一つも人参がない状態となってしまった。
「人参だらけ……僕好きだからいいけど」
「俺も平気だけど、本当にダメなんですね人参」
「だから食えるって!早く食え。話しは長くなるぞ?」
「あ、はい」
「全く、前は少しは食べれてたでしょう?」
「前はな。もう飽きるくらい食ったからしばらくはいい」
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