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狐の国~美男美女コンテスト~
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「さて、逃げましょうか!」
「え?」
「三郎、四郎航平君を抱えてください。一緒に飛びます!」
「ま、まだ舞台の上……」
話してる途中から、いきなり景色が変わり、四郎が車椅子を持ち、三郎が航平を肩に担ぎ、那智に抱っ子されて冬弥の力で上空まで飛んでいた。
「さて、フィナーレに相応しいようにしておきましょうかねぇ。桜狐、桜吹雪を。水狐、凍らせて少し雪を。任せましたよ」
「御意!」
すると、綺麗な結晶がはっきりとした雪と、桜の花びらが宙に舞い、それを利用して「行きます」と、冬弥が言ったと思ったら、街の屋根の上を飛んで屋敷まで一気に帰ってきてしまった。
「ちょ、いいの?」
「いいんです。後は桜狐と水狐の術で観客が魅了されていることでしょうから」
「それ、お前がお題で昔やったやつか?」
「ええ、あれらも天狐の力の片鱗を持ってますから、前より広範囲に広げていると思いますよ?」
「お爺ちゃん達は?」
「術に紛れて帰ってくると思います。さて、宴会の用意は出来てますかねぇ」
「僕達着替えちゃダメ?」
「折角なのに?」
「う、うん」
パタパタパタっと走る音が聞こえ、「き、聞きました今、お義母様の影から連絡が……」
「幸さんそんなに走っては体に障りますよ?」
「大丈夫です。雪翔君、航平君おめでとう!もう私嬉しくて!」
「雪翔ーーー!でかしたーーー!」
「航平君ーーー!かっこよかったわぁ。おばさん惚れちゃったわぁ」
「ば、バアバまで?」
撫で撫で撫で撫で撫で撫で撫で撫で……
「もう、はーげーるー!」
「おおすまん!宴じゃ。昴も連れてきたから大広間に用意じゃ」
誰に言ったのかわからないが、大広間に次々と料理が運び込まれ、みんなからもおめでとうと言われる。
「あ、周太郎さんに重次さん?」
「ご無沙汰しております。御二方共おめでとうございます」
「ありがとう。見てくれたの?」
「はい、人混みに紛れながらですが」
「私は使用人のみんなと奥で。凄かったです。空から落ちた時ヒヤッとしました」
「さぁさぁ、こんなにみんなが集まるのは滅多にないんですから、座ってくださいな。重次・三郎・四郎・周太郎も座りなさい」
「我らは……」
「そうです、私もただの使用人で……」
「何を言ってるの?周太郎はここに来た時の雪翔の付き人でしょう?お世話せずにどうします?三郎と四郎は今日は姿を現してますし、航平君の補佐で活躍しましたから、航平君と座りなさい。そこの恥ずかしいお爺さん二人は黙って!あ、南の奥様も航平君から離れてくださいな。栞さんと幸さんはのんびりしててちょうだいねぇ」
「お婆ちゃん仕切ってる」
「静かに話してるのに重圧が……」
「雪翔?聞こえてますよ。ほら、二人は真ん中に」
準備が整えられ、乾杯してから料理を小皿に取り分けてもらう。
「あ、あれって……肉みたいな魚?持ってきてくれたの?」
「重次に頼んだんだ。雪翔の口に合うなら航平も食えるだろう?」
「魚に見えないけど。肉団子かと」
「そういう魚なんだよ」
一口食べて美味しいと航平は食べに回り、みんながほろ酔い出した頃に夏樹と京弥から話しかけられる。
「え?」
「三郎、四郎航平君を抱えてください。一緒に飛びます!」
「ま、まだ舞台の上……」
話してる途中から、いきなり景色が変わり、四郎が車椅子を持ち、三郎が航平を肩に担ぎ、那智に抱っ子されて冬弥の力で上空まで飛んでいた。
「さて、フィナーレに相応しいようにしておきましょうかねぇ。桜狐、桜吹雪を。水狐、凍らせて少し雪を。任せましたよ」
「御意!」
すると、綺麗な結晶がはっきりとした雪と、桜の花びらが宙に舞い、それを利用して「行きます」と、冬弥が言ったと思ったら、街の屋根の上を飛んで屋敷まで一気に帰ってきてしまった。
「ちょ、いいの?」
「いいんです。後は桜狐と水狐の術で観客が魅了されていることでしょうから」
「それ、お前がお題で昔やったやつか?」
「ええ、あれらも天狐の力の片鱗を持ってますから、前より広範囲に広げていると思いますよ?」
「お爺ちゃん達は?」
「術に紛れて帰ってくると思います。さて、宴会の用意は出来てますかねぇ」
「僕達着替えちゃダメ?」
「折角なのに?」
「う、うん」
パタパタパタっと走る音が聞こえ、「き、聞きました今、お義母様の影から連絡が……」
「幸さんそんなに走っては体に障りますよ?」
「大丈夫です。雪翔君、航平君おめでとう!もう私嬉しくて!」
「雪翔ーーー!でかしたーーー!」
「航平君ーーー!かっこよかったわぁ。おばさん惚れちゃったわぁ」
「ば、バアバまで?」
撫で撫で撫で撫で撫で撫で撫で撫で……
「もう、はーげーるー!」
「おおすまん!宴じゃ。昴も連れてきたから大広間に用意じゃ」
誰に言ったのかわからないが、大広間に次々と料理が運び込まれ、みんなからもおめでとうと言われる。
「あ、周太郎さんに重次さん?」
「ご無沙汰しております。御二方共おめでとうございます」
「ありがとう。見てくれたの?」
「はい、人混みに紛れながらですが」
「私は使用人のみんなと奥で。凄かったです。空から落ちた時ヒヤッとしました」
「さぁさぁ、こんなにみんなが集まるのは滅多にないんですから、座ってくださいな。重次・三郎・四郎・周太郎も座りなさい」
「我らは……」
「そうです、私もただの使用人で……」
「何を言ってるの?周太郎はここに来た時の雪翔の付き人でしょう?お世話せずにどうします?三郎と四郎は今日は姿を現してますし、航平君の補佐で活躍しましたから、航平君と座りなさい。そこの恥ずかしいお爺さん二人は黙って!あ、南の奥様も航平君から離れてくださいな。栞さんと幸さんはのんびりしててちょうだいねぇ」
「お婆ちゃん仕切ってる」
「静かに話してるのに重圧が……」
「雪翔?聞こえてますよ。ほら、二人は真ん中に」
準備が整えられ、乾杯してから料理を小皿に取り分けてもらう。
「あ、あれって……肉みたいな魚?持ってきてくれたの?」
「重次に頼んだんだ。雪翔の口に合うなら航平も食えるだろう?」
「魚に見えないけど。肉団子かと」
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一口食べて美味しいと航平は食べに回り、みんながほろ酔い出した頃に夏樹と京弥から話しかけられる。
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