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狐の国~美男美女コンテスト~
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「暑いよー!」
「雪翔、起きて……」
「航平ちゃん?」
「早く起きて!」
「え?ええー?嘘でしょ?」
「ご、ごめんなさい……」
「とにかく二人共お風呂に入って。俺は布団干して、シーツ洗ってもらってくるから。確認だけど、雪翔じゃないよね?」
「何が?」
「お・も・ら・し!」
「違うよー」
「グスッ……雪ごめんね」
「いいよ。怒ってないから。お風呂行こうか」
二人でお風呂で体を洗って服を着て、銀の服はどうするんだろう?と銀に聞く。
「僕達は術で作れるから」
ほらね?とポンと小さな神主さんのような格好に戻る。
「人間の世界だと服も用意してあるんだけど、嫌い?」
「あっちは術が切れることはないから楽!」
「じゃあ、暑い日はそれ着ようか」
「兄ちゃんも?」
「一緒にね?」
「分かった。でも、また兄ちゃんに怒られちゃうよ」
「何で?」
「お漏らししたから……影のお部屋でもいつも怒られるんだ」
「ちゃんとトイレも行ったから、夜に水分摂りすぎただけだよ」
「そうなのかなぁ?」
「そう、気にしない気にしない!」
銀が珍しく車椅子を押してくれ、食事の席に着くとすぐに陰に隠れてしまった。
「雪翔、おもらししたんじゃって?」
「えー?僕?」
「違うの?」
「お婆ちゃんまで……違うよ。みんなと寝てたんだけど、ほら、みんなまだ小さいから」
「あら、そうだったの。そのうち直りますよ?大体六つくらいかしらねぇ?」
「お漏らしといえば翡翠も昨日漆の隣でプリっとしてしまったようですよ?」
「嘘!僕怒られないかな?」
「それはないでしょうねぇ。桜狐が掃除してましたし、みんな世話焼きですから気にもしてませんよ」
「あ、航平ちゃん置いてきちゃった」
「布団干してから来ると言ってましたよ。さっきすれ違いましたから」
「翡翠も銀もそのうち直るかなぁ?」
「大丈夫よ。うちの茜なんて長くしてたもの。そのたびに雫が面倒見てたし、今では全然よ?」
「そっか」
「それよりもじゃ!朝餉が終わったら特訓じゃぞ?目指せ優勝じゃあ!」
「お爺ちゃん、特訓て何するの?優勝って言っても、航平ちゃんならともかく僕じゃ無理だよ……」
「何を弱気になっておるんじゃ。雪翔はそのままで十分可愛いし、ニコッと笑っておればいいんじゃよ?」
「じゃあ、僕ご飯食べたら宿題するから」
「いかんいかん!航平君。呼びにくいのぅ……航平で良いか。坊主も朝餉を食べたら特訓じゃ!」
「えー!」
「父上、そうは言っても……」
「城の決定を覆せるのか?」
「無理です!あの人達はなりたて天狐の言葉は聞きませんから」
「冬弥さん……」
「私たちがフォローします。なので、もし那智の両親が来たらわかってますね?」
「うん!逃げる」
「あらやだ、そんなに嫌がらなくてもコンテスト当日は来ますよ?」
「お婆ちゃんまで……」
航平が朝食をとり、その後裏の神社まで連れていかれ、棒で舞台の形を書かれ説明される。
「雪翔、起きて……」
「航平ちゃん?」
「早く起きて!」
「え?ええー?嘘でしょ?」
「ご、ごめんなさい……」
「とにかく二人共お風呂に入って。俺は布団干して、シーツ洗ってもらってくるから。確認だけど、雪翔じゃないよね?」
「何が?」
「お・も・ら・し!」
「違うよー」
「グスッ……雪ごめんね」
「いいよ。怒ってないから。お風呂行こうか」
二人でお風呂で体を洗って服を着て、銀の服はどうするんだろう?と銀に聞く。
「僕達は術で作れるから」
ほらね?とポンと小さな神主さんのような格好に戻る。
「人間の世界だと服も用意してあるんだけど、嫌い?」
「あっちは術が切れることはないから楽!」
「じゃあ、暑い日はそれ着ようか」
「兄ちゃんも?」
「一緒にね?」
「分かった。でも、また兄ちゃんに怒られちゃうよ」
「何で?」
「お漏らししたから……影のお部屋でもいつも怒られるんだ」
「ちゃんとトイレも行ったから、夜に水分摂りすぎただけだよ」
「そうなのかなぁ?」
「そう、気にしない気にしない!」
銀が珍しく車椅子を押してくれ、食事の席に着くとすぐに陰に隠れてしまった。
「雪翔、おもらししたんじゃって?」
「えー?僕?」
「違うの?」
「お婆ちゃんまで……違うよ。みんなと寝てたんだけど、ほら、みんなまだ小さいから」
「あら、そうだったの。そのうち直りますよ?大体六つくらいかしらねぇ?」
「お漏らしといえば翡翠も昨日漆の隣でプリっとしてしまったようですよ?」
「嘘!僕怒られないかな?」
「それはないでしょうねぇ。桜狐が掃除してましたし、みんな世話焼きですから気にもしてませんよ」
「あ、航平ちゃん置いてきちゃった」
「布団干してから来ると言ってましたよ。さっきすれ違いましたから」
「翡翠も銀もそのうち直るかなぁ?」
「大丈夫よ。うちの茜なんて長くしてたもの。そのたびに雫が面倒見てたし、今では全然よ?」
「そっか」
「それよりもじゃ!朝餉が終わったら特訓じゃぞ?目指せ優勝じゃあ!」
「お爺ちゃん、特訓て何するの?優勝って言っても、航平ちゃんならともかく僕じゃ無理だよ……」
「何を弱気になっておるんじゃ。雪翔はそのままで十分可愛いし、ニコッと笑っておればいいんじゃよ?」
「じゃあ、僕ご飯食べたら宿題するから」
「いかんいかん!航平君。呼びにくいのぅ……航平で良いか。坊主も朝餉を食べたら特訓じゃ!」
「えー!」
「父上、そうは言っても……」
「城の決定を覆せるのか?」
「無理です!あの人達はなりたて天狐の言葉は聞きませんから」
「冬弥さん……」
「私たちがフォローします。なので、もし那智の両親が来たらわかってますね?」
「うん!逃げる」
「あらやだ、そんなに嫌がらなくてもコンテスト当日は来ますよ?」
「お婆ちゃんまで……」
航平が朝食をとり、その後裏の神社まで連れていかれ、棒で舞台の形を書かれ説明される。
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