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狐の国~美男美女コンテスト~
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「ゆきー、ひーたんもー」
「翡翠なら優勝間違いなしだね」
「ひーたん、じいじのとこ行きたい」
「漆さんのところ?行ってもいいけど、ダメって言われたら帰ってくるんだよ?それと、泣いちゃダメだからね?」
「いいこするー」
「では、紫狐が連れていきますー」
小さな紫狐が翡翠を抱っこして部屋から出ていき、金と銀は書庫から持ってきた本でまた違う話をしていた。
「僕、少し宿題しようかな……」
「出来てるところ答え合わせしようか?」
「うん」
航平に途中で英語を教わりながら、イケメンで英語が得意で、話せるのはたまにおかしな日本語も入れて五カ国語。おまけに法学部で頭もいいし、特に苦手な教科もないとくればモテモテなはずなのに彼女はなし。そんなことを考えながら宿題をするが、たまに聞こえてくる金と銀の会話につい笑ってしまう。
「だから、これはワニじゃなくてサメだよ。だって海だもん」
「でも兄ちゃん、ウサギってこんなに飛べるの?絶対に一飛びでいけないよ?」
「数が倍になりそうだよね。えっと、数を数えて本土につく時、最後のワニに渡るために並ばせた。騙されてたなとうさぎが言いました。馬鹿だなー、言わなきゃいいのに」
金がそう言うと、続きを銀が読み、「その後、怒ったワニにうさぎは皮を剥がれ、しくしくと泣いていました。ちょっと可愛そうだよ?」
「可愛そうだけど、嘘ついたんだから仕方ないよ。続きが、泣いているうさぎに神様のひとりが海水で体を洗えばいいと教えたって。酷い神様だよ?塩って傷にいたいもん、ほら、森で怪我した時に塩水の強い大きなお風呂ですっごく痛かったろ?」
「うん、僕泣いちゃったの覚えてる」
「その後通りかかった神様に、真水で洗えばいいと教えて貰って洗い、その後綺麗に毛が生えました。生えるの早いよねー。親切な神様だけど、『おーくにぬしのみこと』って何?」
「えらい神様なんじゃない?」
「お前達……普通に読めないの?いつも笑うの我慢してるんだけど。金たちの話の方が面白いよ?」
「那智様には叱られたよね?」
「二人共?」
「うん、雪が那智様の家にいる時に読んでたら、那智様が『普通に読まんか!馬鹿者』だって」
「でも、笑ってたよ?」
「その後言葉教えてくれたし」
「どんな言葉?」
「雪に何か言われたら『ぎょい』って言うのと、『ありがとう』『ごめんなさい』『いただきます
』とか?」
「白たちも言うよね」
「そうなの?僕聞いてないけど」
「言ってる。雪にまでまだ聞こえてないだけ」
そう言って続きを読み出したので、そろそろ薬をと思い水で飲んでから二人で布団を敷くと、しっかり二人も布団に潜り込んでいる。
「ちょっと、航平ちゃん寝れないから、どっちかは僕のベッドにおいでよ」
「えー、やだ」
「兄ちゃん、ぎょいって言わなきゃ」
「銀がいけよー!」
「ぎょい?」
「銀おいで。布団は一人用だから、三人では寝るのはきついよ?命令じゃないから御意も要らないから」
「うん……でも……」
「心配なことあるの?」
「お漏らししたらどうしようかなって……」
「え?と、トイレいってから寝よう?そしたら大丈夫だよ」
銀にトイレに行ってもらい、明かりを消して寝ることにするが、引っ付いてくるので暑くて眠れないので、なるべくずれて隙間を作る。
「翡翠なら優勝間違いなしだね」
「ひーたん、じいじのとこ行きたい」
「漆さんのところ?行ってもいいけど、ダメって言われたら帰ってくるんだよ?それと、泣いちゃダメだからね?」
「いいこするー」
「では、紫狐が連れていきますー」
小さな紫狐が翡翠を抱っこして部屋から出ていき、金と銀は書庫から持ってきた本でまた違う話をしていた。
「僕、少し宿題しようかな……」
「出来てるところ答え合わせしようか?」
「うん」
航平に途中で英語を教わりながら、イケメンで英語が得意で、話せるのはたまにおかしな日本語も入れて五カ国語。おまけに法学部で頭もいいし、特に苦手な教科もないとくればモテモテなはずなのに彼女はなし。そんなことを考えながら宿題をするが、たまに聞こえてくる金と銀の会話につい笑ってしまう。
「だから、これはワニじゃなくてサメだよ。だって海だもん」
「でも兄ちゃん、ウサギってこんなに飛べるの?絶対に一飛びでいけないよ?」
「数が倍になりそうだよね。えっと、数を数えて本土につく時、最後のワニに渡るために並ばせた。騙されてたなとうさぎが言いました。馬鹿だなー、言わなきゃいいのに」
金がそう言うと、続きを銀が読み、「その後、怒ったワニにうさぎは皮を剥がれ、しくしくと泣いていました。ちょっと可愛そうだよ?」
「可愛そうだけど、嘘ついたんだから仕方ないよ。続きが、泣いているうさぎに神様のひとりが海水で体を洗えばいいと教えたって。酷い神様だよ?塩って傷にいたいもん、ほら、森で怪我した時に塩水の強い大きなお風呂ですっごく痛かったろ?」
「うん、僕泣いちゃったの覚えてる」
「その後通りかかった神様に、真水で洗えばいいと教えて貰って洗い、その後綺麗に毛が生えました。生えるの早いよねー。親切な神様だけど、『おーくにぬしのみこと』って何?」
「えらい神様なんじゃない?」
「お前達……普通に読めないの?いつも笑うの我慢してるんだけど。金たちの話の方が面白いよ?」
「那智様には叱られたよね?」
「二人共?」
「うん、雪が那智様の家にいる時に読んでたら、那智様が『普通に読まんか!馬鹿者』だって」
「でも、笑ってたよ?」
「その後言葉教えてくれたし」
「どんな言葉?」
「雪に何か言われたら『ぎょい』って言うのと、『ありがとう』『ごめんなさい』『いただきます
』とか?」
「白たちも言うよね」
「そうなの?僕聞いてないけど」
「言ってる。雪にまでまだ聞こえてないだけ」
そう言って続きを読み出したので、そろそろ薬をと思い水で飲んでから二人で布団を敷くと、しっかり二人も布団に潜り込んでいる。
「ちょっと、航平ちゃん寝れないから、どっちかは僕のベッドにおいでよ」
「えー、やだ」
「兄ちゃん、ぎょいって言わなきゃ」
「銀がいけよー!」
「ぎょい?」
「銀おいで。布団は一人用だから、三人では寝るのはきついよ?命令じゃないから御意も要らないから」
「うん……でも……」
「心配なことあるの?」
「お漏らししたらどうしようかなって……」
「え?と、トイレいってから寝よう?そしたら大丈夫だよ」
銀にトイレに行ってもらい、明かりを消して寝ることにするが、引っ付いてくるので暑くて眠れないので、なるべくずれて隙間を作る。
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