栗花落と姫と妖と……

浅井 ことは

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水の神

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何とかフライ定食を半分食べたところで葉子さんがスプーンを置いて「ご馳走様でした」とお水を飲む。

「すげぇ」

「はい、今回の記録は12分48秒。新記録だね。あと一回で10連覇だよ!」

周りの人達も拍手していて封筒の商品券をもらいニコニコしているのだが、お腹は苦しくないのだろうか。

「葉子さん、お腹苦しくない?」

「ええ。なんならあと一回……」

「腹壊すぞ?」

「驚きました。普段からですか?」

「いえ、たまたまこのお店を見つけて、時折来てたんです。一度主人と喧嘩した時にむしゃくしゃして注文したら完食してしまって……。なので、食べられそうな時に注文して連覇を狙ってるだけです」

「まあ、食えるってことはいい事だが」

何とか食事を終えて、「美味しかったー」と暖かいお茶を飲み、ご馳走様でしたとお店を出る。

「大エビもでかかった」と春も満足そう。

「男性にはいいですね。バランスもいいですし、隅にキャベツおかわり自由って書いてありましたよ」

みんなで満腹と家に帰って、リビングでゴロゴロ。

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