栗花落と姫と妖と……

水の神

.

翌日病院に着くと早速診察。
月に一度とは言われていたが、なんだかんだと行っておらず、ひと月はすぎている。

「頭はどうですか？」と秋穂がおでこの上をツンツンとするので、そこは何も変わりは無い事と、食欲など日常のことも聞かれて終わり。

「まあ、そんな変なものが見えたりしたらストレスにもなりますからね、深く考えなくていいと思います」

「あの渦みたいなのとか、息ができたのは？」

「きっと姫愛さんが無意識に術と言いますか神の力と言いますか、それが出たんだと思いますよ」

「そう言われても……」

「今はまだよく分からないことばかりだと思います。修学旅行は特に海……気をつけてください」

「海に気をつけるんですか？」

「瀬織津姫はその罪や穢れ等を川から海に流すと言います」

「海……」

「まずは楽しんでくださいね」

「はい」