栗花落と姫と妖と……

浅井 ことは

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決断

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夜遅くに扉に掃除はいりませんという札をかけ、時折起きるがウトウトとしながらも、なるべく横になる。

朝食はバイキングだったので、オレンジジュースと小さなパンを貰い、少し街を歩こうかなと外に出る。

お昼過ぎまで宛もなくショーウィンドウを覗いたりしていたが、「姫愛さん?」と後ろから声をかけられ怖々振り向くと秋穂さん。

「え、えーと」

「補導されたらどうするんです?」

「私……」

どうしてここが?と思っていたら、「ここは僕の家の近くです。栗花落達も一緒ですか?」

「違うんです。あの、私……。秋穂さんお願い。あと一日でいいから黙っててくれませんか?」

通り過ぎる人がチラチラと見ていたので喫茶店に入り、ゆっくりと学校でのことなどを話す。

「おかしいですねぇ。前日はその女の子だけに言われたんですよね?」

「そうなの。私、誰かがなにかしたんじゃないかと思って」

「それこそ栗花落達になんとかさせれば良かったのに」

「今まで頼りきっていたし、学校も私が頑固に行くって言っていかせてもらってたし。だけどいきなり色んなことがあって私……」と俯いている「ホテルはどこにしたんですか?」といきなり言われる。

隠しても仕方ないなとホテルの場所を言うと、「荷物を取りに行きましょう」と言われる。

「あと一日あるのに?」

「隠したの森さんでしょう?」

「そう。悪いことしたなって思うけど」

「彼の気が少し出ています。近付かないと分からない程度ですけど。春は優秀ですよ。そろそろホテルもバレて今夜はまた外で張り込みとかしそえですし」

「そんな。私はただ、一人になりたくて。考えたくて……」

ホテルにつき、荷物を持って来るように言われたので、荷物をまとめてロビーへ行くと、フロントの人との話はついていたのか、そのまま秋穂について行く。

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