栗花落と姫と妖と……

浅井 ことは

文字の大きさ
上 下
146 / 217
決断

.

しおりを挟む
翌朝、目の周りが少しまだ赤くなっていたが、お弁当を貰って学校に行く間、考え事をしすぎていて森さんとも誰とも口を聞かなかった。

教室のドアを開けると何故かみんなに見られる。

なんだろう、この感じ……

生暖かい風はそろそろ夏になるからだと思いたいが、とてつもなく空気が重い。

一歩。

たった一歩入れば良いだけなのに、少しづつ後ずさりしてしまう。

「おい、ホームルーム始めるぞー!三宅早く入れ。遅刻になるぞ」

みんなからの視線がなくなってようやく席に着く。

プリントが配られたので見ると、修学旅行と書いてある。

先生の説明は聞いたが四つ折りにして鞄の奥にしまい、教科書を出す。

授業中や次の授業までの休みは特に何も無かったが、やはり昼休みは居心地が悪く、お弁当を持って中庭に向かう。

中庭ならば色んな学年の子もいるので大丈夫だろうと、前に座っていた椅子に腰掛け、先に水筒を出していると「二年の三宅さんですよね?」と声をかけられ上をむく。

「えっと……」

「ここ、今私たちの場所なんでどいてもらっていいですか?それと、ここにも来ないでください」

「ど、どうして?」

「美咲先輩から聞きました。三宅さんは鬼で人じゃないって!」

「そんな事……あるわけないじゃない。きっと見間違いなんだと思うよ?」

ふと指を刺されたのは自分の影。

よく見ると自分のシルエットに二本何かが上を向いて出ている。

驚いて立ち上がると、「学校の人みんな知ってます。だからもう近寄らないでください」と大きな声で言われてしまう。

走ってその場から立ち去るが、私は……鬼なんかじゃない!

誰もいないところと思っていても、休み時間の学校は、廊下から校庭まで沢山の生徒が出てきている。

そうだ!と向かったのは裏の昔の部室。

確かもう何も無いと言っていたので大丈夫だろう。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

おにぎり屋さんの裏稼業 〜お祓い請け賜わります〜

瀬崎由美
キャラ文芸
高校2年生の八神美琴は、幼い頃に両親を亡くしてからは祖母の真知子と、親戚のツバキと一緒に暮らしている。 大学通りにある屋敷の片隅で営んでいるオニギリ屋さん『おにひめ』は、気まぐれの営業ながらも学生達に人気のお店だ。でも、真知子の本業は人ならざるものを対処するお祓い屋。霊やあやかしにまつわる相談に訪れて来る人が後を絶たない。 そんなある日、祓いの仕事から戻って来た真知子が家の中で倒れてしまう。加齢による力の限界を感じた祖母から、美琴は祓いの力の継承を受ける。と、美琴はこれまで視えなかったモノが視えるようになり……。 第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...