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決断
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翌朝、目の周りが少しまだ赤くなっていたが、お弁当を貰って学校に行く間、考え事をしすぎていて森さんとも誰とも口を聞かなかった。
教室のドアを開けると何故かみんなに見られる。
なんだろう、この感じ……
生暖かい風はそろそろ夏になるからだと思いたいが、とてつもなく空気が重い。
一歩。
たった一歩入れば良いだけなのに、少しづつ後ずさりしてしまう。
「おい、ホームルーム始めるぞー!三宅早く入れ。遅刻になるぞ」
みんなからの視線がなくなってようやく席に着く。
プリントが配られたので見ると、修学旅行と書いてある。
先生の説明は聞いたが四つ折りにして鞄の奥にしまい、教科書を出す。
授業中や次の授業までの休みは特に何も無かったが、やはり昼休みは居心地が悪く、お弁当を持って中庭に向かう。
中庭ならば色んな学年の子もいるので大丈夫だろうと、前に座っていた椅子に腰掛け、先に水筒を出していると「二年の三宅さんですよね?」と声をかけられ上をむく。
「えっと……」
「ここ、今私たちの場所なんでどいてもらっていいですか?それと、ここにも来ないでください」
「ど、どうして?」
「美咲先輩から聞きました。三宅さんは鬼で人じゃないって!」
「そんな事……あるわけないじゃない。きっと見間違いなんだと思うよ?」
ふと指を刺されたのは自分の影。
よく見ると自分のシルエットに二本何かが上を向いて出ている。
驚いて立ち上がると、「学校の人みんな知ってます。だからもう近寄らないでください」と大きな声で言われてしまう。
走ってその場から立ち去るが、私は……鬼なんかじゃない!
誰もいないところと思っていても、休み時間の学校は、廊下から校庭まで沢山の生徒が出てきている。
そうだ!と向かったのは裏の昔の部室。
確かもう何も無いと言っていたので大丈夫だろう。
教室のドアを開けると何故かみんなに見られる。
なんだろう、この感じ……
生暖かい風はそろそろ夏になるからだと思いたいが、とてつもなく空気が重い。
一歩。
たった一歩入れば良いだけなのに、少しづつ後ずさりしてしまう。
「おい、ホームルーム始めるぞー!三宅早く入れ。遅刻になるぞ」
みんなからの視線がなくなってようやく席に着く。
プリントが配られたので見ると、修学旅行と書いてある。
先生の説明は聞いたが四つ折りにして鞄の奥にしまい、教科書を出す。
授業中や次の授業までの休みは特に何も無かったが、やはり昼休みは居心地が悪く、お弁当を持って中庭に向かう。
中庭ならば色んな学年の子もいるので大丈夫だろうと、前に座っていた椅子に腰掛け、先に水筒を出していると「二年の三宅さんですよね?」と声をかけられ上をむく。
「えっと……」
「ここ、今私たちの場所なんでどいてもらっていいですか?それと、ここにも来ないでください」
「ど、どうして?」
「美咲先輩から聞きました。三宅さんは鬼で人じゃないって!」
「そんな事……あるわけないじゃない。きっと見間違いなんだと思うよ?」
ふと指を刺されたのは自分の影。
よく見ると自分のシルエットに二本何かが上を向いて出ている。
驚いて立ち上がると、「学校の人みんな知ってます。だからもう近寄らないでください」と大きな声で言われてしまう。
走ってその場から立ち去るが、私は……鬼なんかじゃない!
誰もいないところと思っていても、休み時間の学校は、廊下から校庭まで沢山の生徒が出てきている。
そうだ!と向かったのは裏の昔の部室。
確かもう何も無いと言っていたので大丈夫だろう。
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