栗花落と姫と妖と……

仮題

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タブレットを持ってリビングに行き、春が居たので動画の一部を見せる。

「ここなんだけどね、本に書いてあった事と違うの」

「ああ、本には伊邪那美命と素戔嗚尊が物と物の交換で制約を結んだ時に産まれた神がいるとなっていて、素戔嗚尊の娘が須勢理毘売命すせりびめのみこととなってるだろ？」

「うん」

「この動画だと伊邪那美命と素戔嗚尊が結婚してできた子が須勢理毘売命。須勢理と大国主が結婚して下照姫が産まれて。その下照姫が饒速日命と結婚となってる」

「なんで、本によって違うの？それに、下照姫は、高照姫に名前変わってるし」

「瀬織津姫は下照姫という説もある」

「どれだけの名前があるのよー！」

「あまり誰と誰の子が姫だとかは考えなくていいと思うぞ？全部覚えようと思うのなら本はいくらでも貸してやるが」

「い、いい。辞めとく……」

どちらにせよ神様の本当のことなど誰にも分からないのだからと言われたが、予備知識的には見ておいた方がいいと言われ、いくつか見やすそうなものを教えて貰っていつでも見れるようにしておいてもらう。

「春さんて大学で何を勉強してるの？」

「色々。俺は就職活動してないしな」

「なんで？」

あれ！と指をさされてみると栗花落。

「なるほどねー」