栗花落と姫と妖と……

仮題

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また集中して見てしまったが、「昼食」という言葉に一時停止してちゃんと手を合わせていただきます。

お昼は朝が説教だったので軽めにサンドイッチとスープ。

「葉子さん、この前作った時きゅうり繋がってたんだよ……」

「初めてでしたから次はもっと上手く切れますよ」

「そうかな？」

「学校で調理実習ないのか？」

「あるけど、食べ係と洗い物係」

「栗花落さんは？」

「またお出かけに。夕食には戻られるそうですから、お鍋にしようと思うのですが」

「エビ！」

「つみれが好き」

「両方入れますね」

食後にまたダラダラとしながら続きを見ていると、「そこ！くっつくな！」と栗花落の帰宅。

くっついてないんだけどなぁ……

ほぼ寝転んでみている状態でも、かなり大きなソファーだから、余裕で二人が足を伸ばしていても当たることは無い。

何がいけないのだろう？

「栗花落、あと少しで終わるから」

「どれだけ見たんですか」と積み上げたディスクのケースを見て呆れ顔。

「今いい所なんだ。兄に恋する妹がな、兄の犯罪に手を貸すんだが兄と妹も警察官なんだ。妹は兄を愛していて兄のためにと……」

「はいはい。クライマックスって言いたいんですね？」

「そうなの……」

何を言ってもダメだと栗花落も諦めたのか、お風呂に行くとリビングから出ていったので、今のうちにと見ていると。

ラストの最後の一枚というところで「夕食です」と言われ一時停止。

「美味しそう」

「二人とも今夜は早めに寝てくださいよ？」

「「大丈夫」」

「それより春。明後日着いてきてください。多分本物です」

「次は何が見つかるの？」

「掘り返してみないとなんとも。姫、勉強してくれたんですか？」

「春さんに聞いたのをネットで見てノートには書いたけど。色んな形のがあったよ」

「そうなんです。でも、本当の形はなんと言ったら良いのか……全てを集めて何かをするとまでは分かってるんですがその辺が記憶がまだ」

「だが、見つかったものは全て丸い形になってるだろ？他のもそうじゃないのか？」

「多分そうだと思うんですが、見つかった時は違う形をしてるので手に取ってみないとなんとも言えないんですよね」

「学校の時、片目で見たら光る感じのもの見えたけど、栗花落さんは見えないの？」

「見えますよ？でも、捜し物には向いてないみたいです」

特技みたいなものなのかな？

そう思っていると電話がなり、食事中だったが電話に出る。

『もしもし、店長さんが個室に移りました。面会は明日からできますよ』

「ほんとですか？」

『ええ。ただ疲れるといけないので10分だけですが』

「あの、明日行ってもいいですか？」

『10時頃来れますか？その時間だったら回診で僕もいますから』

「行きます。連絡ありがとうございます」

電話を切ってみんなに報告すると、「それこそちゃんとお風呂に入ってゆっくり休まないと。目の下にクマ作っていくと反対に心配されますよ」と言われ素直に頷く。

が……ご馳走様と言って結局ラストまで見てからお風呂に入り、明日早起きしなくちゃと早々に布団に入る。