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歴史

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「失礼します。院長、手術が終わりました」と報告となにかの書類を持ってきて出ていったので、全員が秋穂が口を開くのを待つ。

「今、集中治療室に居ますが、命に別状はありません」

「良かった……」

「姫愛さんはまだ高校生なので……」

「聞きます!」

「運ばれた時には意識の方はまだしっかり保っていたようです。ガラス片はお腹に。骨折は肋と腕と足。火傷は顔から全身に。酷いところが足ですが、他は綺麗にとまでは行きませんが治ります」

「そんな……」

「姫、座れ」

いつの間にか立ち上がっていたのか春に座らされる。
しかも秋穂を睨みながら……

「お前、姫はまだ体も心もほとんど人だぞ?」

「聞くと言われたので。で、僕は今から警察と消防の方と連絡を取るので失礼しますが、暫くは面会できません。面会出来るようになったらすぐ連絡します」とスマホをフリフリしている。

「わかった。栗花落にも連絡してくれよ。俺たちは一旦帰るが……」

「分かってます。見張りはつけておきます」

高校生でも、とても大変な怪我だということくらいは分かる。

でも、神様ってこんなにズバズバ言わなくても。

「葉子さん、先に家に。俺と姫は森の車で戻る」

「支度をしておきます」

駐車場で別れ、車に乗って移動していると「姫、あいつは敵では無い。俺たちより早くから記憶があるし、その中で受け入れて医者になった変態だ!しかも火と雷って名前がついてるのに稲作の神だぞ?」

「火とか、雷は怖いイメージがあるけど」

「神の記憶がありながら人として長かったから話し方も順応してるんだろうが、頼りにはなる」

「……他にも神様居るのかな」

「いるだろうが、ほぼ神気のないやつもいれば、記憶だけはあるが力のないやつとか様々だな。そこは深く考えなくていい」

「ねえ、お店の方はもう人少ないかな?」

「人は多少いるだろうが……」

寄ってくれと頼み込み、店の手前から歩いていくと、たまに一緒になるバイトの男性が警察の人から事情を聞かれ終わったのかポカーンとしている。

「内田さん!」

「あ、姫愛ちゃん。こんな時間に……あれ?お兄さん?」

「えーと」

「恋人候補だ!で、誰だこいつ」と指をさすのでやめてくれと言い、「店長が運ばれた病院に行ってきたの」と聞いたことを伝える。

「俺、店に配達に回ってて、戻ってきたらこんなになってて……」

「内田と言ったか?今日はもう帰った方がいい」と目線を後ろに。

「記者の人でしょうか?分かりました。お店のことはまた連絡するから姫愛ちゃんも気をつけて」

自分たちも話を聞かれたら困るからと車に戻り、お店どうなるのかな?と言っていると、「姫が考えなくていい。原因が分かればビルの所有者と店長とで話すだろ」と。

その辺はどうなるのか分からないが、このまま周りに任せっきりでいいのだろうか?記憶があるのなら一気に戻ってくれないだろうかなどとも考えてしまう。

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