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歴史
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手で握りしめていたスマホが鳴ったので出ると『姫、今どこにいる』と珍しく早口の春。
「葉子さんの車で病院に向かってるけど、混んでてまだつかない」
『俺は森と行くから病院に着いたら休日受付の待合室にいろ』
「わかった」
聞いたことを葉子さんに伝えると、場所はわかると言われ、脇道から回っていくと言われる。
渋滞をぬけて病院につき、受付で聞くとやはり教えてくれないので、待合室でウロウロとする。
「ねえ、手術のところの待合とか……」と焦っていると、知らない男性が来て、「三宅さんですか?」と聞かれる。
渡された名刺には、皇総合病院院長。
「皇 秋穂さん?」
「栗花落の兄です。電話がありましたので、応接室で待っていてください」
「あ、あの。もう一組来るんですけど……」
「春樹君からも連絡をもらいました。ここに居ても情報も何も入ってきませんから」
チラッと見ると、葉子さんは知っているのか頷くので応接室に行く。
「コーヒーしかないんですが」と入れてくれたのでお礼を言い、今わかっていることだけでもと言うと「今は手術中ですが、主に骨折と火傷。外傷はガラスか何かで切ったのか、破片が刺さっていたとのことで、まだまだ時間はかかります。ニュースはまだやっていますが、最初のニュースの内容と変わりません。建物を見る限り、入口近くにいたのかもしれませんね」
「私、あのお店でアルバイトしてて。あそこは花屋さんなんです」
「火事や爆発とテレビでは言ってますが、花屋さんならば通気が良い感じがしますけど」
「普段はガラスの引き戸になっていて、普段は開けっ放しなんですけど……」
もし奥にいたのなら……と考えると鳥肌が立つ。
「葉子さんの車で病院に向かってるけど、混んでてまだつかない」
『俺は森と行くから病院に着いたら休日受付の待合室にいろ』
「わかった」
聞いたことを葉子さんに伝えると、場所はわかると言われ、脇道から回っていくと言われる。
渋滞をぬけて病院につき、受付で聞くとやはり教えてくれないので、待合室でウロウロとする。
「ねえ、手術のところの待合とか……」と焦っていると、知らない男性が来て、「三宅さんですか?」と聞かれる。
渡された名刺には、皇総合病院院長。
「皇 秋穂さん?」
「栗花落の兄です。電話がありましたので、応接室で待っていてください」
「あ、あの。もう一組来るんですけど……」
「春樹君からも連絡をもらいました。ここに居ても情報も何も入ってきませんから」
チラッと見ると、葉子さんは知っているのか頷くので応接室に行く。
「コーヒーしかないんですが」と入れてくれたのでお礼を言い、今わかっていることだけでもと言うと「今は手術中ですが、主に骨折と火傷。外傷はガラスか何かで切ったのか、破片が刺さっていたとのことで、まだまだ時間はかかります。ニュースはまだやっていますが、最初のニュースの内容と変わりません。建物を見る限り、入口近くにいたのかもしれませんね」
「私、あのお店でアルバイトしてて。あそこは花屋さんなんです」
「火事や爆発とテレビでは言ってますが、花屋さんならば通気が良い感じがしますけど」
「普段はガラスの引き戸になっていて、普段は開けっ放しなんですけど……」
もし奥にいたのなら……と考えると鳥肌が立つ。
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