栗花落と姫と妖と……

歴史

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コーヒーを貰ってまた続きを読んでいると、ニュースを見ていた葉子さんが「姫愛様……」と声をかけてくる。

その顔は青ざめており、ニュースに目を向けると、写っている場所が……

「着替えてくる！」

着替えて「葉子さん、車ってある？運転出来る？」と早口で言うと、「出来ます。私の車になりますが」と葉子さんも上着を羽織っていて、一緒に車に乗って現場まで行く。

「どうしよう。携帯も繋がらない」

「救急車が来ました。私一人ならこっそり行けるんですが、そばを離れる訳にも行きませんし」

「私も行く！」

車は離れたところに置いたので走っていけばいいだろうと近くまで行くが、テレビのカメラや通行人、警察官に消防と邪魔で仕方がない！

「姫愛様、中から消防の人が……」

担架に乗せられているのが女性と分かったので人混みをすり抜けて駆け寄る。

「店長？」

「ひな……ちゃん」

名前は呼んでくれたが、そのまま運ばれて行ったので葉子さんが搬送先の病院を聞いてくれるが教えて貰えない。

こうなったら……「すいません、私ここでバイトしてるものです！病院どこですか？まだ決まってないなら、皇総合病院にしてください！」と一気に言う。

以前、栗花落にどんな会社なのかと色々教えてもらった中に、病院はお兄さんがしてると聞いた覚えがある。

何科とか、そんな事は分からないがメッセージを送っておけばいいだろう。

「うう、緊急事態だし！」