栗花落と姫と妖と……

変化

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車に乗ると「おはようございます」と思っていたより元気な森さん。

「おはよう。あの、昨日の怪我……」

「スーツを一着ダメにしたくらいで、筋肉痛が残ってる程度です」と、トレーニングをもう少し追加しないとなどと笑っている。

「森さんと葉子さんは普通の人なの？」

「そうです」

「あの春さんて人は？」

「そうですね、私達夫婦からしたら、栗花落様も春様もとても尊い方と言いますか」と要領を得ない。

「姫愛様の記憶が戻られた時に私たちでも分からないことも思い出されるのではないでしょうか」

「森さん達は、あの変なものとかよく見てるの？」

「はい、昔から。姫愛様は祖先と言えばわかりやすいと思うのですが、その記憶を持った人がいると思われますか？」

「んー、似た人がいるのは隔世遺伝？ていうのは聞いたことあるけど、記憶っていうのは聞いたことないし」

「私の説明では分かりにくいかもしれないので、栗花落様に聞かれるといいと思います。栗花落様はお話上手ですから」

「え？たまに全然分からないこと言ってるけど！」

そう言うと、そのうち分かりますとだけ言われ学校につき、本当に体調が悪くなったら直ぐに迎えに来るからと言われたので、ちゃんと連絡をすると言って教室に向かう。