栗花落と姫と妖と……

新しい生活

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外に出ると、いつも夜だったので気づかなかったが、結構緑が多い。

「この先は森林公園なんです」

「だから回りが木だらけなのかな」

「そうなりますね。このマンションもまだ五年も経ってなかったと思います」

「家に興味は無い？」

「そうでも無いですよ。ここに決めたのも設備が良いからですし」

「良すぎるくらい」

久々に沢山歩いて、池の近くのベンチに座る。

「疲れてませんか？」

「大丈夫。ずっと送り迎えして貰ってたから、太ると困るし」

「もう少しふっくらしていても……」

「それはダメ！今がちょうどいい感じなの！」

「そうですか？」

「女子高生はみんなそうなの！」

「たまに化粧をしている生徒も見かけますが」

「軽くしてる子はいるけど、私は日焼け止めくらいかな。匂いが好きじゃなくて。興味はあるけど」

「大学では素朴な方から派手な方まで様々ですからねぇ」

「大学生って、私から見たら大人って感じがする」

そんな話をしたあと、暗くなる前に他も見て回ると言って立ち上がり、コーヒー専門店や小さなスーパー、幼稚園に小学校などもあることが分かった。

「住宅地なので中学ももう少し先にありますよ」

「今日はもう限界……」

結構歩いたなぁと家に帰って湯船でしっかりとマッサージをした後に、髪をドライヤーで乾かし、ちょっと迷う。

夕食ってパジャマじゃダメだよね……