栗花落と姫と妖と……

急展開

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持っていくものが学用品と服少々だけという悲しい現実。

もし大人だったなら、もっとたくさん引越し用品が多かったはずなのに。

いやいや、勝手に決められて、向こうから学校に通うだけと思えば学用品だけでもいいはず。

の前に一緒にすまなくてもいい気がするが……何か考えでもあるのだろうか？

もし、お互いが一緒にいて何かを思い出すのならいいが、思い出したところで普通の高校生だし、何かが変わるとは思えないのだが。

夕方前に、インターホンが鳴ったので出ると、栗花落と知らない男の人が一人。

「お荷物の方失礼いたします」と全部トランクに入れられ、後ろに二人で乗る。

「お父さん、お母さん行ってきます」

「たまには顔を見せてちょうだいね」

「病気には気をつけるんだぞ」と手を振ってくれたので、そのままドアを閉めてもらいマンションへ。