栗花落と姫と妖と……

浅井 ことは

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忠誠の誓い(仮)

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「私、二週間送り迎えしてもらって、それが当たり前みたいに勘違いしちゃってて。ごめんね?栗花落さんにも自分の生活があるのに……」

「そんな事は……。今日は不覚にもどれだけ走っても学校に着けず……。ですが、名前を教えなかったのは良かったです」

「教えるとどうなるの?」

「名前で相手の術に縛られることがあります」

「縛……」

「記憶が!?」

「変な夢を最近見て」と見た夢のことを伝えると、一つの水晶を渡される。

手に何故か馴染む感じでとても暖かく、そのことを伝えると「それは姫が怖い思いをされたからです。その水晶は肌身離さず持っていてください」

「どうしたのこれ。買ったの?」

「見つけました」

どこで……?と聞こうとしたが、栗花落の顔を見て安心したのか、近くの椅子に腰を下ろし項垂れる。

「姫?」

「私……自分の事が分からなくなってきた」

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