栗花落と姫と妖と……

浅井 ことは

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忠誠の誓い(仮)

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でも毎日来てくれていたのに、今日はどうしたんだろう?と心配になるが、そもそも送迎してもらうことは本来は無い。
それに、連絡先も知らないのだから、花屋さんに来たお客さんと少し仲良くしただけと思えば……。

そう思うと気が重くなり、それにつられて足取りも重くなる。

「姫!姫!」

「栗花落……さん?」

「怪我は?何もされてませんか?無事ですか?」と抱きついてくる。

滅茶苦茶だなぁと笑い、その時に感じたことを話し、「逃げた!」と自信満々に言うと、やっと離してくれたが、まだ、置かれた肩には力が入っている。

「名前を……聞かれませんでしたか?」

「えっと、姫ですか?って聞かれたから、一応そう呼ばれてるとだけ。名前は教えてない」

そう言うとやっと肩から手を離してくれ、「良かった」と少し笑顔になってくれる。

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