栗花落と姫と妖と……

忠誠の誓い(仮)

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「あれ？」

いつも校門の前にすぅっと来るのに来ない。
何かあったのかな？と門を出ると、「姫様でございますか？」と知らないおじさんに声をかけられる。

姫って……みんな見てるからやめて欲しいんですけどぉ。

「姫……と呼ばれてますけど……一応」

「良かった。お写真は拝見してきたのですが……」

あぁ、皆同じ制服で髪もよく似た感じだと、誰が誰かわからないのも仕方がないかもしれない。

「お送りしますのでこちらへ」

「…………きょ、今日は……寄るところがあるので……ごめんなさい！」

なんだろう？
何か少しだけ生臭い臭いがした！
絶対について行ってはいけないと頭の中は赤ランプが全開で点滅しているかのよう。

走るだけ走り、車が入って来れないような道を曲がりに曲がって、とりあえずいつものカフェまでは来れた。

が、コーヒーを飲む気分ではなく、自販機で水を買い一気に三分の一飲む。

「なんだろう？そうだ、電話……番号聞いてなかった！！！」