栗花落と姫と妖と……

忠誠の誓い(仮)

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「学校の終わる時間なんだけど」

「確認済みなので、15:20にまた待ってます」

「まさか……」

「他の生徒に邪魔にならないようにします」

そうしてくれと切に願ったのは言うまでもない。

なのに！

停めたのは校門の真ん前、しかも後部座席を開け、「行ってらっしゃい」と手まで振ってくるので、「行ってきます」と急いで教室まで行く。

誰にも見られて……無いはずもなく、予鈴まで普段は話してこない人からも質問の嵐。

「昨日早退したから、今日は送って貰っただけだよ」

完璧！と思っていたら、今度はお兄さんがいたのか、何歳なのか、恋人はいるのかなど質問攻め。

やっと先生が来て静かになったが、お昼は逃げようと決めるものの、女子の行動は早い。

一日を何とか切り抜け、靴を履いて校門まで行くと、スッと車が出てきたので、門から少し下がって待っていてくれたのだろうが……扉は開けなくていい……

「おかえりなさい」

「まだ、ただいまじゃない気がするんだけど……」

一日の話をすると、いつもと違ってケラケラと笑われ、着替えてきて欲しいと言われて着替えて戻ると、「少し行きたいところがあるのですが、一緒に見てもらいたいんです」とだけ言われる。