栗花落と姫と妖と……

目と目

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少し走りながら時間を潰そうと言うことになり、まず、あの交差点で見たものは何なのかを聞くと、「あれは悪意を持った霊みたいなものでしょうね」と言われ、「栗花落さん、病院に行った方がいいと思う」と口に出てしまう。

「ホントですよ。これからもっと姫も見えてくると思います」

「姫ってやめてください。せめて姫愛と」

「しっくりくるので姫で！」

結構頑固者なのかな？

そんなことより、事故は起きてしまったものは仕方がない。
せめて怪我が大したことがなければ良いことだけを願おう。

「学校、よく入れましたよね？」

「校門を入ってすぐ姫をおろして立たせました。で、ストン。と」

「ストン？」

「怪我をしないようにあえて倒れさせたと言いますか……」

「酷っ！」

「ほんとに影が薄いのか気付かれにくいと言いますか。コツがありましてね、見せたい見て欲しいと思う人にはしっかりと見せられることができるようです。普段はそんなことしませんが、姫は最初会った時、半分寝ながらも私の声を聞いて返事をしたのでもしかしてと思ってたら……」

なんだろう？
あの時は寝ちゃったのは確かだし、顔も見てなかったし。

「顔を上げた時に目が見えて、何故か納得してしまったんです」

「勝手にされても困るというか」