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南中心街から秋へ
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「たまには違うの読んだら?」
「うーん、たぬきシリーズが終わったら?」
「童話って、ウサギとたぬきの話多いよね」
「確かにそうだけど……他にも沢山あるでしょ?その本分厚いし」
そう言うと、今度は浦島太郎を読んでいたのか、「あーあ、蓋開けちゃった!」と聞こえてくる。
お昼休憩を挟んで、なにか読んでよと言われ、なにか普通の話をとサルカニ合戦を読んで聞かせた。
「蟹がおにぎりを持って歩いていると、ずる賢い猿が拾った柿の種と交換しようと言ってきました。蟹は最初は嫌がりましたが、種を植えれば成長して柿がたくさんなってずっと得すると猿が言ったので蟹はおにぎりとその柿の種を交換しました。
蟹はさっそく家に帰って「早く芽をだせ柿の種、出さなきゃ鋏でちょん切るぞ」と歌いながらその種を植えるといっきに成長して柿がたくさんなりました。そこへやって来た猿は、柿を取れない蟹の代わりに自分が取ってあげようと木に登りましたが、ずる賢い猿は自分が食べるだけで蟹には全然あげませんでした。蟹が早くくれと言うと猿は青くて硬い柿の実を蟹に投げつけ、蟹はそのショックで子供を産むと死んでしまいました」
「怒った子蟹達は親の敵を討つために、猿の意地悪に困っていた栗と臼と蜂と牛の糞を家に呼び寄せて敵討ちの計画をしました。
猿の留守中に家へ忍び寄り、栗は囲炉裏の中に隠れ、蜂は水桶の中に隠れ、牛糞は土間に隠れ、臼は屋根に隠れました。そして猿が家に戻って来て囲炉裏で身体を暖めようとすると、熱々に焼けた栗が体当たりをして猿は火傷を負い、急いで水で冷やそうと水桶に近づくと今度は蜂に刺され、ビックリして家から逃げようとした所、牛の糞に滑り転倒、屋根から臼が落ちてきて猿は潰れて死に、こうして子供の蟹達は見事親の敵を討つことに成功しました。おしまい!」
えー!と何か言いたそうだったので、何?と聞くと、金は「なんで牛の糞が困るの?」と聞いてきて、銀は「赤ちゃんなのに話が出来るの?」と不思議がり、最後には二人揃って「臼が屋根に乗れるわけないじゃんねー」と顔を見合わせている。
「そう言われても、そんな話なんだよ……それだけ猿さんは悪いことしたって話」
「雪ー、牛の糞に滑って、臼が屋根から飛んで猿を潰したってことでしょ?」
「そうなるね」
「何で猿を殺す必要があったのかなぁ?やり過ぎじゃない?今までの話は懲らしめるだけとかだったのに」
「そうだね、僕も途中までしか憶えてなかったから、ごめんね。何かが死んでしまう話は嫌だよね」
「銀、はっきり言えよ。俺達もいたずらしたら、こうなるのかって」
「兄ちゃん……」
「ちょっと待って、ならないから!これは童話の話で、例えだよ?この話の最後は残念だったけど、誰かに冷たくしたり、意地悪したりしてはいけませんよってことだと思うよ?ほら、気を取り直して次読もう!何がいい?」
少し拗ねていた銀だが、最近は兄弟と紫狐、翡翠と遊んでいるので好きにさせていたが、構って欲しかったのかな?とちょっと反省し、今日は宿につくまで本を読んであげることにした。
パラパラと目次を見てから本を閉じ、もう一冊の本の中から白雪姫を選んで読んでくれと言われる。
「うーん、たぬきシリーズが終わったら?」
「童話って、ウサギとたぬきの話多いよね」
「確かにそうだけど……他にも沢山あるでしょ?その本分厚いし」
そう言うと、今度は浦島太郎を読んでいたのか、「あーあ、蓋開けちゃった!」と聞こえてくる。
お昼休憩を挟んで、なにか読んでよと言われ、なにか普通の話をとサルカニ合戦を読んで聞かせた。
「蟹がおにぎりを持って歩いていると、ずる賢い猿が拾った柿の種と交換しようと言ってきました。蟹は最初は嫌がりましたが、種を植えれば成長して柿がたくさんなってずっと得すると猿が言ったので蟹はおにぎりとその柿の種を交換しました。
蟹はさっそく家に帰って「早く芽をだせ柿の種、出さなきゃ鋏でちょん切るぞ」と歌いながらその種を植えるといっきに成長して柿がたくさんなりました。そこへやって来た猿は、柿を取れない蟹の代わりに自分が取ってあげようと木に登りましたが、ずる賢い猿は自分が食べるだけで蟹には全然あげませんでした。蟹が早くくれと言うと猿は青くて硬い柿の実を蟹に投げつけ、蟹はそのショックで子供を産むと死んでしまいました」
「怒った子蟹達は親の敵を討つために、猿の意地悪に困っていた栗と臼と蜂と牛の糞を家に呼び寄せて敵討ちの計画をしました。
猿の留守中に家へ忍び寄り、栗は囲炉裏の中に隠れ、蜂は水桶の中に隠れ、牛糞は土間に隠れ、臼は屋根に隠れました。そして猿が家に戻って来て囲炉裏で身体を暖めようとすると、熱々に焼けた栗が体当たりをして猿は火傷を負い、急いで水で冷やそうと水桶に近づくと今度は蜂に刺され、ビックリして家から逃げようとした所、牛の糞に滑り転倒、屋根から臼が落ちてきて猿は潰れて死に、こうして子供の蟹達は見事親の敵を討つことに成功しました。おしまい!」
えー!と何か言いたそうだったので、何?と聞くと、金は「なんで牛の糞が困るの?」と聞いてきて、銀は「赤ちゃんなのに話が出来るの?」と不思議がり、最後には二人揃って「臼が屋根に乗れるわけないじゃんねー」と顔を見合わせている。
「そう言われても、そんな話なんだよ……それだけ猿さんは悪いことしたって話」
「雪ー、牛の糞に滑って、臼が屋根から飛んで猿を潰したってことでしょ?」
「そうなるね」
「何で猿を殺す必要があったのかなぁ?やり過ぎじゃない?今までの話は懲らしめるだけとかだったのに」
「そうだね、僕も途中までしか憶えてなかったから、ごめんね。何かが死んでしまう話は嫌だよね」
「銀、はっきり言えよ。俺達もいたずらしたら、こうなるのかって」
「兄ちゃん……」
「ちょっと待って、ならないから!これは童話の話で、例えだよ?この話の最後は残念だったけど、誰かに冷たくしたり、意地悪したりしてはいけませんよってことだと思うよ?ほら、気を取り直して次読もう!何がいい?」
少し拗ねていた銀だが、最近は兄弟と紫狐、翡翠と遊んでいるので好きにさせていたが、構って欲しかったのかな?とちょっと反省し、今日は宿につくまで本を読んであげることにした。
パラパラと目次を見てから本を閉じ、もう一冊の本の中から白雪姫を選んで読んでくれと言われる。
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