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温泉旅行
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半分ほど食事を進めたところで、お鍋に火が点けられ、運ばれてきたお肉は飛騨牛。
「沸騰しましたら、お野菜などを入れてお召し上がりください」
仲居になりきった左近が鼻をクンクンさせながら言うものだからつい笑いそうになるが、慎二は肉に夢中で気づいてないのがありがたい。
「もういいかな?」
「そうですね。先に野菜を入れてしまいましょうか」
二人でひとつの鍋だったので野菜を入れてまた蓋をすると、お肉の匂いがしたのか風もじっと慎二の持つお肉に目をキラキラさせている。
「風……沢山食べたでしょう?」
「仕方ない!ちょーっとだけだぞ?火が通るまで待ってろよ風」
「そんなに甘やかしたら……」
「今日だけ!な、お前も欲しいよな」
「あうっ!」
やれやれと思いながらも、風は慎二の膝の横にしっかりとお座りをして待っているので、残りの椀物を食べてしまう。
「この位かな?ちょっと待てよ。今冷ましてやるから」
フーフーと冷まして小さくしたお肉を手のひらに乗せると、よし!と言われるのをちゃんと待っている風。
「いい子だな。食べてよし!」
ちぎれんばかりにしっぽを振りながら、贅沢なお肉をパクッと食べてお代わりの要求。
でも……
「風……あなたお腹パンパンじゃないですか。もうダメですよ?」
「やっぱりいつもより多かったかなー。明日の朝飯、少し減らしてもらう?」
「そうですね。このままだと丸々していて転がってしまいそうですし」
しゅん、と拗ねた風が伏せをしてちらちら見てくるのが気にはなったが、しゃぶしゃぶもポン酢とゴマだれの二種類で食べきり、最後にご飯に味噌汁にお新香。
「かなりお腹が一杯なのですが」
「ご飯少しにする?」
「半分くらいで。この後にデザートが来るんでしたっけ?」
「うん。何が出てくるかな?俺はメロンがいいんだけど」
甘いものが好きだと前から言っていた気がするが、それよりもお腹が痛くなりそうで怖い。
「沸騰しましたら、お野菜などを入れてお召し上がりください」
仲居になりきった左近が鼻をクンクンさせながら言うものだからつい笑いそうになるが、慎二は肉に夢中で気づいてないのがありがたい。
「もういいかな?」
「そうですね。先に野菜を入れてしまいましょうか」
二人でひとつの鍋だったので野菜を入れてまた蓋をすると、お肉の匂いがしたのか風もじっと慎二の持つお肉に目をキラキラさせている。
「風……沢山食べたでしょう?」
「仕方ない!ちょーっとだけだぞ?火が通るまで待ってろよ風」
「そんなに甘やかしたら……」
「今日だけ!な、お前も欲しいよな」
「あうっ!」
やれやれと思いながらも、風は慎二の膝の横にしっかりとお座りをして待っているので、残りの椀物を食べてしまう。
「この位かな?ちょっと待てよ。今冷ましてやるから」
フーフーと冷まして小さくしたお肉を手のひらに乗せると、よし!と言われるのをちゃんと待っている風。
「いい子だな。食べてよし!」
ちぎれんばかりにしっぽを振りながら、贅沢なお肉をパクッと食べてお代わりの要求。
でも……
「風……あなたお腹パンパンじゃないですか。もうダメですよ?」
「やっぱりいつもより多かったかなー。明日の朝飯、少し減らしてもらう?」
「そうですね。このままだと丸々していて転がってしまいそうですし」
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「かなりお腹が一杯なのですが」
「ご飯少しにする?」
「半分くらいで。この後にデザートが来るんでしたっけ?」
「うん。何が出てくるかな?俺はメロンがいいんだけど」
甘いものが好きだと前から言っていた気がするが、それよりもお腹が痛くなりそうで怖い。
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