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日常生活相談
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いくつかコースがあり、緩ゆかな散策コースを選んで山の入口から入ると、思ったよりも手入れが行き届いているので歩きやすいなと、ゆっくりと歩を進める。
時折休憩をとりつつ、鳥の鳴き声に耳を傾けながら歩いていると、ガサガサっと何かが着いてくる音がし、草むらの影を覗き込むと、一匹の仔犬。
「迷子ですか?お母さんは?」
「くーん」
おいで。と手を出すと、ぺろぺろと手を舐めてくるので、持参していた水を少し手のひらに入れると、勢いよく飲む。
「喉が渇いていたんですね。迷子ならお母さんを探さないといけませんね……」
「それは無理ですぅ」
声のした方をむくと、小さな男の子。
「木霊……ですか。久久能智神の気配はありませんが……」
「ククノチ様はここには滅多においでになりません。それより、この仔犬は数日前に人が置いていったのです。ため池の所までは距離があるし、山の中腹からここまでよく降りてきたと思うくらいです」
「死を待つだけですか……」
時折休憩をとりつつ、鳥の鳴き声に耳を傾けながら歩いていると、ガサガサっと何かが着いてくる音がし、草むらの影を覗き込むと、一匹の仔犬。
「迷子ですか?お母さんは?」
「くーん」
おいで。と手を出すと、ぺろぺろと手を舐めてくるので、持参していた水を少し手のひらに入れると、勢いよく飲む。
「喉が渇いていたんですね。迷子ならお母さんを探さないといけませんね……」
「それは無理ですぅ」
声のした方をむくと、小さな男の子。
「木霊……ですか。久久能智神の気配はありませんが……」
「ククノチ様はここには滅多においでになりません。それより、この仔犬は数日前に人が置いていったのです。ため池の所までは距離があるし、山の中腹からここまでよく降りてきたと思うくらいです」
「死を待つだけですか……」
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