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#10 死神界と人間界と天の世界

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涼しさを満喫しながらお茶を飲んでいると、「おやぁ? 店が快適になってますねぇ」とまた何の食材を手に入れてきたのか、手には何故かエコバッグ。しかも中身は見る限りパンパン。

「あ、やっと帰って来た

 肩にタオルをかけたテオが、ムスッとした顔で言う。

「もう、怒らないでくださいよぉー。テオ君怒ると怖いんですからぁ」

 ちょっと聞き慣れてきたが、テオは口は悪いが滅多な事では怒らない。俺がいない間に何をしたんだ!

「と、とりあえずご飯の支度をしてきますぅぅぅぅ」

  逃げるように二階へ行ったので、何があったんだ? と聞くと、デスクに積まれた書類の山を見せられる。

「これ、半年分の経費の計算と、溜めに溜めた報告書の山! 朝から「よろしく」って出掛けたっきりで、今までの記録を合わせながら何とか終わらせたんだけど、もう暑くて。で、エアコンの掃除になったわけ」

「うわぁー。俺なら夜中にでも自分でやれって押し付けるけどな」

「一応、俺はアギルさんの部下になるから嫌とは言いにくい」

 その後、エアコンはつけっぱなしにしておこうということになり二階に行くと、割烹着に三角巾をつけた昭和風お母さんモードのアギル。

 鼻歌を歌いながら、「夕飯は少し待ってください。それまでのおやつにブルーベリーとラズベリーたっぷりの玉子パンの二種類つまんでいてくださいねぇ」と出してくるのはいいが、テオの顔は引きつったまま。

「まるで、お手伝いのご褒美みたいで物凄く嫌だ」

「あ、あぁ……でも、腹減ったしとりあえず食おうぜ」

 食べながら今日の事を話していると、「お昼抜きだったんですかぁ?」と聞いてくる。

「食べてない。紅茶飲んだだけ」

「リヒトさん夢中になるとご飯食べるの忘れますから、お昼は言わないとだめですよぉ」
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