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#3 アギルの謎と海釣り

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「俺たちの姿って見えてんの?」

「普段は隠しませんが、今は見えないようにしました。女性に気づかれると困りますので」

「で?階級の話」

「それは後ほど。ここで待っててください」

それは一瞬のことで、女性が崖から落ちる瞬間にアギルの姿が消え、消えたと思った瞬間、自分のいるところから見える国道の傍に女性を寝かせて戻ってくる。

「危ないだろ!あんなとこに寝かせたら!」

「もうすぐトラックが通ります。その運転手が救急車を呼び、女性は病院で目覚めることになります。さ、行きましょう」

冷たいな……と思いながらも、ここがどこなのか、どう帰ればいいのか分からなかった為後ろを着いていく。

着いた先は商店街。

何か買うのだろうかと思っていると、また元来た道を戻り、反対側へと行く。

「ここって、日本?」

「どこだと思ってたんです?ここは福井県です。ここは東尋坊。聞いたことあります?」

「その……」

「自殺の名所……と言われてます。確かに、ひと月に二件ほど報告はありますが、今回ここに出たのは偶然です。だって僕、北海道に行きたかったんですから!!!」と何故か少し怒っている。

あぁ、食材か……と思っていると、「君が連れてきたようなものです」と言われてしまう。

「どういう……」
「あ、ここですここです。悠一君、スマホ持ってます?」

「あるけど」

「ピッケモンしってます?」

「知ってる。俺もアプリ入れてあるし。それがなんなんだよ」

「見てください。観光地なのに、このピッケモンの出現率が高くて、この数年観光客が大幅に増え、自殺の抑制にもなってます。いい事ですねぇー」

「まぁ、止めることができるなら」

「それにほら、松の木も見事!残念ですが時間がありません。少し急ぎましょう」



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