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帰還
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「多分なのですが、魔王様もいらっしゃると思うのです。こちらに来たがっていましたし。ここならば郊外ですし、人外の者も来やすいのではないかなと思いまして。それに、夜0時まで出来るそうなのでちょうどいいかと。あとはダンスパーティなどもお好みでとありましたし」
「ほんと?ならそこにしようか。ドレスは結月さんに相談しないといけないから、明日そこの下見に行こうよ」
「ではそのように予定を組みます。商品の方ですが……」
「いくつか候補はあるんだけど、俺、クリスマスとか婆ちゃんと一緒だったからあまり縁がなかったし、バレンタインなんてチョコ貰ったこともないからわかんないよ」
「男性はもらわないといけないのですか?」
「そんなことないけど、誰にも好かれてないのかなと思うと寂しくない?」
「これは人間界だけのイベントなので、私にもわかりませんが……」
「でも今は男女関係なく友チョコとかあるし」
「男性が男性にですか?」
「女性同士もあるよ?今は結構普通になってると思うんだけどなぁ。ただ、買いに行くときに恥ずかしいかもしれない」
「奏太様?」
「あのさ、後でbarに行くから、もう今日は会社出てもいいかな?」
「大丈夫だと思いますが、車だしましょうか?」
「色々と見たいから歩いていくよ。ノア、電車に乗るけど大丈夫?」
「頭をぶつけないようにします」
二人とも手荷物はないので、そのまま部屋を出て会社のホールから堂々と外に出る事にした。
出る際にもやはり受付がうるさかったので、受付の前まで行き「騒いでる暇があったら仕事して」と一言だけ言うと、申し訳ありませんとシュンとしてしまっていた。
可愛そうだとは思ったが、受付は会社の顔であり、取り次ぎなど大事な仕事だと思っているので言ったのだが、隣に居るノアは何故か嬉しそうな顔をして居る。
「何?」
「いえ、今無意識に魔法を使われていたので」
「いつ?」
「受付の方をお叱りになられた時です」
「普通に言っただけなんだけど、何かしたかなぁ?」
「無意識に王家の者だけが使える魔法を使ってました。服従や絶対命令ではないので大丈夫でしたが、言うことを聞かせるときなどに使うものです。主は誰かはっきりさせる感じと言えば分かりやすいでしょうか?」
「犬の躾みたいだね」
「魔界でルーカス様や姫様が兵達の前で治療や食事などの話をしましたよね?」
「うん」
「あれは言の魔とも言いまして、言葉に魔法を乗せて言い聞かせるのです。誰でもできるものではなく王の資質の持ち主にしかできません」
「日本で言う、言の葉みたい」
「そうですね。言い方は違いますが似たようなものだと。ですがこれで、彼女達は奏太様の言い付けに逆らうようなことはないと思います」
「よくわからないけど、静かならいいか!」
「所でどちらまで行かれるのですか?」
「この辺りから少し離れたところに、大きな雑貨屋さんやデパートがあるんだよ。もうクリスマス商品が並んでるだろうから、見て被らなければ出したいと思うものがあって」
「ほんと?ならそこにしようか。ドレスは結月さんに相談しないといけないから、明日そこの下見に行こうよ」
「ではそのように予定を組みます。商品の方ですが……」
「いくつか候補はあるんだけど、俺、クリスマスとか婆ちゃんと一緒だったからあまり縁がなかったし、バレンタインなんてチョコ貰ったこともないからわかんないよ」
「男性はもらわないといけないのですか?」
「そんなことないけど、誰にも好かれてないのかなと思うと寂しくない?」
「これは人間界だけのイベントなので、私にもわかりませんが……」
「でも今は男女関係なく友チョコとかあるし」
「男性が男性にですか?」
「女性同士もあるよ?今は結構普通になってると思うんだけどなぁ。ただ、買いに行くときに恥ずかしいかもしれない」
「奏太様?」
「あのさ、後でbarに行くから、もう今日は会社出てもいいかな?」
「大丈夫だと思いますが、車だしましょうか?」
「色々と見たいから歩いていくよ。ノア、電車に乗るけど大丈夫?」
「頭をぶつけないようにします」
二人とも手荷物はないので、そのまま部屋を出て会社のホールから堂々と外に出る事にした。
出る際にもやはり受付がうるさかったので、受付の前まで行き「騒いでる暇があったら仕事して」と一言だけ言うと、申し訳ありませんとシュンとしてしまっていた。
可愛そうだとは思ったが、受付は会社の顔であり、取り次ぎなど大事な仕事だと思っているので言ったのだが、隣に居るノアは何故か嬉しそうな顔をして居る。
「何?」
「いえ、今無意識に魔法を使われていたので」
「いつ?」
「受付の方をお叱りになられた時です」
「普通に言っただけなんだけど、何かしたかなぁ?」
「無意識に王家の者だけが使える魔法を使ってました。服従や絶対命令ではないので大丈夫でしたが、言うことを聞かせるときなどに使うものです。主は誰かはっきりさせる感じと言えば分かりやすいでしょうか?」
「犬の躾みたいだね」
「魔界でルーカス様や姫様が兵達の前で治療や食事などの話をしましたよね?」
「うん」
「あれは言の魔とも言いまして、言葉に魔法を乗せて言い聞かせるのです。誰でもできるものではなく王の資質の持ち主にしかできません」
「日本で言う、言の葉みたい」
「そうですね。言い方は違いますが似たようなものだと。ですがこれで、彼女達は奏太様の言い付けに逆らうようなことはないと思います」
「よくわからないけど、静かならいいか!」
「所でどちらまで行かれるのですか?」
「この辺りから少し離れたところに、大きな雑貨屋さんやデパートがあるんだよ。もうクリスマス商品が並んでるだろうから、見て被らなければ出したいと思うものがあって」
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