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東の浮遊城
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「なんで覗いてるの?」
そう言うとみんなが入ってきて、自分からのプレゼントを手に取り、今度は手渡してくる。
ありがとうと言って受け取ると、そのプレゼントの殆どが航平とお揃いのものばかりではあるが、ちゃんと好みにも合わせてくれている。
「なぁ、クリスマスってのは枕元に置いておくだけでいいんじゃなかったのか?」と昴か言うとみんながじーっと冬弥を見ていて、「き、気持ちの問題です!」と照れながら誤魔化しているので、みんなで庭の木の下に行ってみてと誘い、準備をしてから庭に降りていくと、祖母と栞も侑弥を抱いて木の下に来ていた。
「栞さん!もう大丈夫なの?」
「ええ、みんなが治してくれたから。翡翠ちゃんも頑張ってくれたのよ」
「ひーたんいいこ!」
「翡翠、木の下に行ってみて」
トコトコと翡翠が木の下に行き、袋を咥えて戻ってきたので、袋を開けてあげる。
「はい、大好きなイチゴの形のペンダント」
太めのネックレスチェーンを翡翠に合うような長さに直してもらい、イチゴのペンダントトップを付けただけなのだが、翡翠は喜んでくれたようで「ありがと」とみんなに見せて回っている。
「お婆ちゃんは少し誕生日には早いけど……」
袋を開け、手鏡を見て「あら、これだと机でも使えるのね。雪翔ありがとう」
「あの、俺からはお爺さんとお婆さんに……」と手渡しており、しっかりと「爺ちゃんじゃろ?」と言い直させられていた。
「冬弥さんと、栞さんには結婚一年のお祝いがあるんだ」
車椅子に隠して持ってきた箱を渡すと、みんなが覗き込み、開けた箱の中からは、薄い紫とピンクの天使が花を持っている置物。その二つの間に『1th Anniversary』と文字を入れてもらった。
「雪翔……」
ギューッと抱きしめられ、痛いから!恥ずかしいから!と離してもらい、三郎と四郎と周太郎にはリストバンドの色違いを。
昴と祖父と冬弥には着物に合いそうなマフラー。
胡蝶にはレースの刺繍が綺麗なハンカチ。
那智にはいつも同じようなネクタイをしているので、ピアスの様なワンポイントになるタイピン。
金と銀にはお揃いのセーターを贈った。
「あとは侑弥のだけど、こっちにおっきなクマのぬいぐるみ送られてない?」
「あ、ありました。雪翔のかと思ってまだ荷物を置いたところにそのままにしてありますが」
「あれ侑弥の。包めなくってリボンだけつけてもらったの」
「乗れますねぇ。かなり大きいですよ?」
「130cmって書いてあったよ?」
プレゼントという荷物を持ってみんなで広間に移動し、クマのぬいぐるみを侑弥に見せてから、秋彪と玲が来るのを待つ。
「航平ちゃんは、那智さんに何あげたの?」
「あー、恥ずかしいんだけど、ネクタイ」
「いつも黒っぽいもんね」
「こだわりがあるみたいだから、黒にはしたんだけど、透かし柄が入ってるのにしたんだ」
「付けてくれるよ!」
「だといいけど。俺も、関わりのある人にとは思って買ったんだけど、冬弥さんと栞さんにはお揃いのエプロンにしたんだ。下宿で変な柄のつけてたし。」
「そう言えば、薬局で貰ったからって言ってたけど。ひまわり柄だったよね?」
「ずっと気になっててさ」
「それでエプロンでしたか!航平も雪翔もありがとう。その気持ちだけでとても嬉しいですよ」
「僕、京弥さんと幸さんにも用意したんだ。渡しに行けるかな?」
「お正月ですねぇ。まだもう少しここでみんなの回復も待ちたいですから」
そう言うとみんなが入ってきて、自分からのプレゼントを手に取り、今度は手渡してくる。
ありがとうと言って受け取ると、そのプレゼントの殆どが航平とお揃いのものばかりではあるが、ちゃんと好みにも合わせてくれている。
「なぁ、クリスマスってのは枕元に置いておくだけでいいんじゃなかったのか?」と昴か言うとみんながじーっと冬弥を見ていて、「き、気持ちの問題です!」と照れながら誤魔化しているので、みんなで庭の木の下に行ってみてと誘い、準備をしてから庭に降りていくと、祖母と栞も侑弥を抱いて木の下に来ていた。
「栞さん!もう大丈夫なの?」
「ええ、みんなが治してくれたから。翡翠ちゃんも頑張ってくれたのよ」
「ひーたんいいこ!」
「翡翠、木の下に行ってみて」
トコトコと翡翠が木の下に行き、袋を咥えて戻ってきたので、袋を開けてあげる。
「はい、大好きなイチゴの形のペンダント」
太めのネックレスチェーンを翡翠に合うような長さに直してもらい、イチゴのペンダントトップを付けただけなのだが、翡翠は喜んでくれたようで「ありがと」とみんなに見せて回っている。
「お婆ちゃんは少し誕生日には早いけど……」
袋を開け、手鏡を見て「あら、これだと机でも使えるのね。雪翔ありがとう」
「あの、俺からはお爺さんとお婆さんに……」と手渡しており、しっかりと「爺ちゃんじゃろ?」と言い直させられていた。
「冬弥さんと、栞さんには結婚一年のお祝いがあるんだ」
車椅子に隠して持ってきた箱を渡すと、みんなが覗き込み、開けた箱の中からは、薄い紫とピンクの天使が花を持っている置物。その二つの間に『1th Anniversary』と文字を入れてもらった。
「雪翔……」
ギューッと抱きしめられ、痛いから!恥ずかしいから!と離してもらい、三郎と四郎と周太郎にはリストバンドの色違いを。
昴と祖父と冬弥には着物に合いそうなマフラー。
胡蝶にはレースの刺繍が綺麗なハンカチ。
那智にはいつも同じようなネクタイをしているので、ピアスの様なワンポイントになるタイピン。
金と銀にはお揃いのセーターを贈った。
「あとは侑弥のだけど、こっちにおっきなクマのぬいぐるみ送られてない?」
「あ、ありました。雪翔のかと思ってまだ荷物を置いたところにそのままにしてありますが」
「あれ侑弥の。包めなくってリボンだけつけてもらったの」
「乗れますねぇ。かなり大きいですよ?」
「130cmって書いてあったよ?」
プレゼントという荷物を持ってみんなで広間に移動し、クマのぬいぐるみを侑弥に見せてから、秋彪と玲が来るのを待つ。
「航平ちゃんは、那智さんに何あげたの?」
「あー、恥ずかしいんだけど、ネクタイ」
「いつも黒っぽいもんね」
「こだわりがあるみたいだから、黒にはしたんだけど、透かし柄が入ってるのにしたんだ」
「付けてくれるよ!」
「だといいけど。俺も、関わりのある人にとは思って買ったんだけど、冬弥さんと栞さんにはお揃いのエプロンにしたんだ。下宿で変な柄のつけてたし。」
「そう言えば、薬局で貰ったからって言ってたけど。ひまわり柄だったよね?」
「ずっと気になっててさ」
「それでエプロンでしたか!航平も雪翔もありがとう。その気持ちだけでとても嬉しいですよ」
「僕、京弥さんと幸さんにも用意したんだ。渡しに行けるかな?」
「お正月ですねぇ。まだもう少しここでみんなの回復も待ちたいですから」
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