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東の浮遊城
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「そうですか。雪翔も怖かったでしょう?体におかしなところはないですか?」
「うん、ない。でも、栞さんがあんなに怒るなんて……」
「一つ大切なこと聞きます。尾が出たのは外ですか?結界内ですか?」
「結界の中。目の色も変わってて、金色だった。僕も頑張ったんだけど、出ちゃったから。何かあるの?」
「いえ、これは少し調べます。雪翔は何にも気にしなくていいんですからね?」
下を向いていると、祖母が栞は落ち着いていると言いに来て、「雪翔、花ちゃんと遊んであげてくれる?」と言われたので、ソファで金たちも出してご褒美のおやつをあげ、気に入っている陰陽師の映画をつけてあげる。
「ひーたん、しおりさん見る」
「え?でもお婆ちゃんが大丈夫って言ってたよ?」
「ちなう。まだグルグルなの」
そう言って栞のとこまでピョコピョコと行くので任せ、花に「栞さんの気がおかしいの?」と聞くと、コクンと頷くので、やっぱり力を使いすぎたんだと思い、栞の方に目をやると、「ゆっきーもはなちゃんの治療を受けてくださいー!」と紫狐がヌッと出てくる。
治療を受けている間に寝てしまい、那智に起きろと言われて起きると、背中には侑弥が。
「那智さんがおんぶ紐……」
それだけで目が冴え、早く着替えろと言っている那智を携帯で撮り、朝から怒られながら顔を洗いに行く。
着替えてリビングに行くと、みんな集まっていて、「雪翔、終業式前なんですが、浮遊城に行きます」と言われる。
栞があまり良くないので向こうで療養させるということになり、持っていく荷物には航平がなにかの粉をかけている。
「それ何?」
「荷物にさ、九堂って奴がいたら行けないから、この粉であぶり出ししてるんだよ」
「匂いとかしないのに?」
「悪霊とか、映画であるだろ?なにかに変身したり取り憑かれたりって。そう言うのを引きはがす効果とかあるから、もし居たら姿丸出しになるんだけど、大丈夫そう」
そのあと車椅子にも掛けてもらい、みんなで狐の国に行く。
いつまでも侑弥をおんぶしている那智に、そろそろ下ろしていいんじゃない?と言うと、「寝かせる部屋がわからん!」と言われ、とにかく荷物だけ置いて一緒に部屋を見に行く。
「部屋聞いてるの?」
「入り口からまっすぐ行って突き当りを右。二番目の部屋って言われたんだが、ここだよな?」
「うん。でも、なんで那智さんがおんぶしてたの?」
「栞を俺が抱いて運ぶわけには行かないだろ?叔母上に任せてもよかったんだが、面白がって括りつけてきたんだよ」
「もう一枚写真撮っていい?」
「頼むから消してくれ」
ベビーベッドを見付けて、膝の上で支えて侑弥を下ろしてからベッドに寝かせると、那智の袖を掴んで離さないので、ミルクかもと近くにいた女中に頼む。
「懐かれてるね」
「まぁ、甥だからな。親戚と言ってもいとこの子になるから、言い方は面倒なんだ。従兄弟叔父なんて呼ばないだろ?」
「うん」
「だから叔父。弟の家系だから漢字だと伯父になるけど、細かいことはいいだろ。おじさんて呼ばれたらショックかもしれん。にしても肩がこるな」
「大きくなったもん。もう生まれた時の服きれないんだよ?まだ二ヶ月なのに」
「人の子でもそんなものだろう?」
「多分。でも、この部屋って玩具ばっかり。本棚には絵本もいっぱいあるけど」
「この国でいいところの家の息子だと、三歳くらいから文字や絵などを教える家が多いが、冬弥はしそうにないな」
「三歳でしょ?まだ早いよ?」
「うん、ない。でも、栞さんがあんなに怒るなんて……」
「一つ大切なこと聞きます。尾が出たのは外ですか?結界内ですか?」
「結界の中。目の色も変わってて、金色だった。僕も頑張ったんだけど、出ちゃったから。何かあるの?」
「いえ、これは少し調べます。雪翔は何にも気にしなくていいんですからね?」
下を向いていると、祖母が栞は落ち着いていると言いに来て、「雪翔、花ちゃんと遊んであげてくれる?」と言われたので、ソファで金たちも出してご褒美のおやつをあげ、気に入っている陰陽師の映画をつけてあげる。
「ひーたん、しおりさん見る」
「え?でもお婆ちゃんが大丈夫って言ってたよ?」
「ちなう。まだグルグルなの」
そう言って栞のとこまでピョコピョコと行くので任せ、花に「栞さんの気がおかしいの?」と聞くと、コクンと頷くので、やっぱり力を使いすぎたんだと思い、栞の方に目をやると、「ゆっきーもはなちゃんの治療を受けてくださいー!」と紫狐がヌッと出てくる。
治療を受けている間に寝てしまい、那智に起きろと言われて起きると、背中には侑弥が。
「那智さんがおんぶ紐……」
それだけで目が冴え、早く着替えろと言っている那智を携帯で撮り、朝から怒られながら顔を洗いに行く。
着替えてリビングに行くと、みんな集まっていて、「雪翔、終業式前なんですが、浮遊城に行きます」と言われる。
栞があまり良くないので向こうで療養させるということになり、持っていく荷物には航平がなにかの粉をかけている。
「それ何?」
「荷物にさ、九堂って奴がいたら行けないから、この粉であぶり出ししてるんだよ」
「匂いとかしないのに?」
「悪霊とか、映画であるだろ?なにかに変身したり取り憑かれたりって。そう言うのを引きはがす効果とかあるから、もし居たら姿丸出しになるんだけど、大丈夫そう」
そのあと車椅子にも掛けてもらい、みんなで狐の国に行く。
いつまでも侑弥をおんぶしている那智に、そろそろ下ろしていいんじゃない?と言うと、「寝かせる部屋がわからん!」と言われ、とにかく荷物だけ置いて一緒に部屋を見に行く。
「部屋聞いてるの?」
「入り口からまっすぐ行って突き当りを右。二番目の部屋って言われたんだが、ここだよな?」
「うん。でも、なんで那智さんがおんぶしてたの?」
「栞を俺が抱いて運ぶわけには行かないだろ?叔母上に任せてもよかったんだが、面白がって括りつけてきたんだよ」
「もう一枚写真撮っていい?」
「頼むから消してくれ」
ベビーベッドを見付けて、膝の上で支えて侑弥を下ろしてからベッドに寝かせると、那智の袖を掴んで離さないので、ミルクかもと近くにいた女中に頼む。
「懐かれてるね」
「まぁ、甥だからな。親戚と言ってもいとこの子になるから、言い方は面倒なんだ。従兄弟叔父なんて呼ばないだろ?」
「うん」
「だから叔父。弟の家系だから漢字だと伯父になるけど、細かいことはいいだろ。おじさんて呼ばれたらショックかもしれん。にしても肩がこるな」
「大きくなったもん。もう生まれた時の服きれないんだよ?まだ二ヶ月なのに」
「人の子でもそんなものだろう?」
「多分。でも、この部屋って玩具ばっかり。本棚には絵本もいっぱいあるけど」
「この国でいいところの家の息子だと、三歳くらいから文字や絵などを教える家が多いが、冬弥はしそうにないな」
「三歳でしょ?まだ早いよ?」
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