47 / 87
再び
.
しおりを挟む
音楽が流れたのであっという間にみんなが揃い、配食の手伝いをして自分の分も持って隆弘の横に座る。
「お、今日はこっちなのか?」
「たまには。それに、今日の魚好きなんだもん」
「今お婆さんたち来てるんじゃないのか?」
「うん。侑弥見に来てるよ?まだ栞さん一人じゃ大変だからって」
「今日は来ないのか?俺達も楽しみにしてるんだけど」
「機嫌のいい時だけじゃないんですか?もしかして隆弘さんて子供好きとか?」
「嫌いじゃないよ?航平もパパって感じに見えるんじゃないか?」
「パパ……あ!忘れてた……」
「何を?」
糠漬けのきゅうりを頬張りながら、航平が頭を抱えだしたので何事かと思ったら、那智たちの朝の食事を作るように言われていたと言って「怒られるー」と言いながらも急いで食べていた。
「航平、那智たちのなら、お稲荷を持たせましたから。安心していいですよ」
「冬弥さん……ありがとうございます。放っておいたらパン一枚も焼かないんですよ?何なんですか?あのタカビーは……」
「でも、那智さんの南の家に行ったとき、料理してたよ?」
「俺には包丁も握れないって言ってたけど……」
「甘えたいんじゃないのか?那智さん」
「隆弘さんまで……男に甘えられてもなぁ」
「でも、那智さんと航平なら目立つよな。スーパーとか似合いそうにないし。去年だっけ?賢司の居酒屋行った時も微妙に馴染んでるようで、日本酒飲んでるの目立ってたし」
「そう!目立つんですってば。いつもスーツだし、大学に来た時なんて女子がキャーキャー言ってて……『誰あの人ー。カッコイイー』って。そこで声掛けられて父親発言されたからしばらく大学でからかわれるし……」
「那智さん嬉しいんじゃないの?ダディって呼んだらもっとご機嫌になるのに」
「無理!そんな事したら一生言わされる。雪翔もだろ?」
「うん、お父さんじゃダメなのかな?」
「だ・め・で・す!」
後ろからいきなり言われたので、周りのみんなにも笑われたが、なんでパパにこだわるのかがまだいまいち分かっていない。
「なんでパパがいいの?」
「え?いきなり聞きます?前にも言いましたけど……パパがいいんです!ほら、侑弥もそのうちパパって呼ぶでしょう?その時に雪翔だけ冬弥さんて呼んだら侑弥がビックリしますよ?」
「僕、高校生だし、お父さんでいいじゃん」
「俺なんて大学生なのにダディだぞ?笑われるってよりも俺が恥ずかしい……」
そんな話をしていると、もうみんな時間になったのか、高校生組が学校に行きだし、厨房の奥の扉からはまた侑弥をおんぶした祖父が慌てて入ってくる。
「雪翔ー!」
「おじいちゃんうるさい!」
「侑弥が泣き止まんのだ。栞さんでも泣き止まんし、何とかしてくれぃ」
「何とかって……」
侑弥をおんぶ紐から離して抱っこすると、背をのけぞって泣くので、どうしたものかと、あやして見るが全然泣き止まず、抱っこしているこちらが汗をかくほどだった。
「お、今日はこっちなのか?」
「たまには。それに、今日の魚好きなんだもん」
「今お婆さんたち来てるんじゃないのか?」
「うん。侑弥見に来てるよ?まだ栞さん一人じゃ大変だからって」
「今日は来ないのか?俺達も楽しみにしてるんだけど」
「機嫌のいい時だけじゃないんですか?もしかして隆弘さんて子供好きとか?」
「嫌いじゃないよ?航平もパパって感じに見えるんじゃないか?」
「パパ……あ!忘れてた……」
「何を?」
糠漬けのきゅうりを頬張りながら、航平が頭を抱えだしたので何事かと思ったら、那智たちの朝の食事を作るように言われていたと言って「怒られるー」と言いながらも急いで食べていた。
「航平、那智たちのなら、お稲荷を持たせましたから。安心していいですよ」
「冬弥さん……ありがとうございます。放っておいたらパン一枚も焼かないんですよ?何なんですか?あのタカビーは……」
「でも、那智さんの南の家に行ったとき、料理してたよ?」
「俺には包丁も握れないって言ってたけど……」
「甘えたいんじゃないのか?那智さん」
「隆弘さんまで……男に甘えられてもなぁ」
「でも、那智さんと航平なら目立つよな。スーパーとか似合いそうにないし。去年だっけ?賢司の居酒屋行った時も微妙に馴染んでるようで、日本酒飲んでるの目立ってたし」
「そう!目立つんですってば。いつもスーツだし、大学に来た時なんて女子がキャーキャー言ってて……『誰あの人ー。カッコイイー』って。そこで声掛けられて父親発言されたからしばらく大学でからかわれるし……」
「那智さん嬉しいんじゃないの?ダディって呼んだらもっとご機嫌になるのに」
「無理!そんな事したら一生言わされる。雪翔もだろ?」
「うん、お父さんじゃダメなのかな?」
「だ・め・で・す!」
後ろからいきなり言われたので、周りのみんなにも笑われたが、なんでパパにこだわるのかがまだいまいち分かっていない。
「なんでパパがいいの?」
「え?いきなり聞きます?前にも言いましたけど……パパがいいんです!ほら、侑弥もそのうちパパって呼ぶでしょう?その時に雪翔だけ冬弥さんて呼んだら侑弥がビックリしますよ?」
「僕、高校生だし、お父さんでいいじゃん」
「俺なんて大学生なのにダディだぞ?笑われるってよりも俺が恥ずかしい……」
そんな話をしていると、もうみんな時間になったのか、高校生組が学校に行きだし、厨房の奥の扉からはまた侑弥をおんぶした祖父が慌てて入ってくる。
「雪翔ー!」
「おじいちゃんうるさい!」
「侑弥が泣き止まんのだ。栞さんでも泣き止まんし、何とかしてくれぃ」
「何とかって……」
侑弥をおんぶ紐から離して抱っこすると、背をのけぞって泣くので、どうしたものかと、あやして見るが全然泣き止まず、抱っこしているこちらが汗をかくほどだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
49
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる