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再び
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目が覚めるとまだ外は暗く、時計の針は朝の四時半を指していた。
キッチンに行き、お茶をコップにいれてダイニングに座って飲んでいると、冬弥が「早いですねぇ」と二階から降りてきた。
「昨日寝ちゃったみたいで……白たちにまだ聞けてないんだ」
「焦らなくていいですよ?」
「昴さんたちは?」
「那智の所に行ってもらいました。流石にこれ以上は家では無理なので。札なんですが、使ってみます?」
「今?」
「ええ。今なら下宿の子も寝てますし、裏の畑の近くなら、少し爆発しても問題ないですし、結界を張るので音も聞こえないようにしますが」
「試しておいた方がいいのかな?」
「いきなりだと出来ないでしょう?それに、相手が私なら防げますから」
冬弥に言われ、本当は使いたくないんだよ?と念を押して裏庭に周り、攻撃の『破』を一枚ちぎってみるものの、どう使えばいいのかわからない。
「そこの石に札を包んで投げてみてください」
言われるままに投げると、ボン__と破裂はしたが威力がない。
「アニメみたいに、いろんなところに仕掛けて、こっちが念じたら爆発するとかないのかな?」
「やってみます?」
要らないガラクタに札を貼り、念じてくださいと言われて念じるとちゃんと破壊されていたので、後は気の使い方だと言われる。
「紙だから投げるとか無理だよ?」
「飛ばすイメージを持って、私に投げてみてください」
きっと結界を張るんだと思って、冬弥に向かって投げると、思っていたよりも早く飛んでいき、『破』と念じるとちゃんと爆発した。
「あとは練習だけですねぇ。もう一つはなんですか?」
「えっと、『滅』って書いてあるの。幽霊とか消せるのかなーって思って」
「そこにしつこいのがいるので、投げてください。見えますよね?」
「うん。黒い影みたいなのでしょ?」
投げると爆竹を鳴らしたような音がして、黒い塊がいなくなったので、本物なんだと自分で書いたのに驚いてしまう。
「思ったよりも威力ありますねぇ。これで何かを媒介したらもっと強力になりそうですけど」
「あくまでも護身用と思ってよ。僕、お化けは祓えたらいいなと思ってたけど、人を攻撃したりはしたくないもん」
「みんな同じですよ。我々も悪いものは祓いますが、妖と言えど無闇に葬ったりしませんから。では朝餉の支度に行きましょうか」
調理場に入る前に、小松菜を数株抜いて持っていき、丁寧に泥を落としてザルにつけ、味噌汁用に豆腐を切って下準備をしていく。
「わかめは?」
「あれ?棚にありません?」
「うん、もう無いみたい」
「買い忘れてたんですねぇ。いつもあるのでうっかりです。代わりに揚げ入れましょうか」
「僕切るよ?」
手伝いをしてお盆などを出し、朝の配食の準備がある程度終わったところで、隆弘や航平が食堂に降りてきて、重い味噌汁の鍋や炊飯器などを運んでくれる。
「台車に乗せたままだから楽になったけど、一人で全部するのは大変でしょ?」と冬弥が隆弘に言われ、狐たちにさせるとはいえず、「すいませんねぇ」といつものように笑顔で答えている横で、航平が一度押したかったんだと朝の食事の合図のボタンを押す。
「あ!僕も押したかったのに!」
「前押しただろ?結構みんなやりたがってるんだって。俺下宿で一番乗りかも」
キッチンに行き、お茶をコップにいれてダイニングに座って飲んでいると、冬弥が「早いですねぇ」と二階から降りてきた。
「昨日寝ちゃったみたいで……白たちにまだ聞けてないんだ」
「焦らなくていいですよ?」
「昴さんたちは?」
「那智の所に行ってもらいました。流石にこれ以上は家では無理なので。札なんですが、使ってみます?」
「今?」
「ええ。今なら下宿の子も寝てますし、裏の畑の近くなら、少し爆発しても問題ないですし、結界を張るので音も聞こえないようにしますが」
「試しておいた方がいいのかな?」
「いきなりだと出来ないでしょう?それに、相手が私なら防げますから」
冬弥に言われ、本当は使いたくないんだよ?と念を押して裏庭に周り、攻撃の『破』を一枚ちぎってみるものの、どう使えばいいのかわからない。
「そこの石に札を包んで投げてみてください」
言われるままに投げると、ボン__と破裂はしたが威力がない。
「アニメみたいに、いろんなところに仕掛けて、こっちが念じたら爆発するとかないのかな?」
「やってみます?」
要らないガラクタに札を貼り、念じてくださいと言われて念じるとちゃんと破壊されていたので、後は気の使い方だと言われる。
「紙だから投げるとか無理だよ?」
「飛ばすイメージを持って、私に投げてみてください」
きっと結界を張るんだと思って、冬弥に向かって投げると、思っていたよりも早く飛んでいき、『破』と念じるとちゃんと爆発した。
「あとは練習だけですねぇ。もう一つはなんですか?」
「えっと、『滅』って書いてあるの。幽霊とか消せるのかなーって思って」
「そこにしつこいのがいるので、投げてください。見えますよね?」
「うん。黒い影みたいなのでしょ?」
投げると爆竹を鳴らしたような音がして、黒い塊がいなくなったので、本物なんだと自分で書いたのに驚いてしまう。
「思ったよりも威力ありますねぇ。これで何かを媒介したらもっと強力になりそうですけど」
「あくまでも護身用と思ってよ。僕、お化けは祓えたらいいなと思ってたけど、人を攻撃したりはしたくないもん」
「みんな同じですよ。我々も悪いものは祓いますが、妖と言えど無闇に葬ったりしませんから。では朝餉の支度に行きましょうか」
調理場に入る前に、小松菜を数株抜いて持っていき、丁寧に泥を落としてザルにつけ、味噌汁用に豆腐を切って下準備をしていく。
「わかめは?」
「あれ?棚にありません?」
「うん、もう無いみたい」
「買い忘れてたんですねぇ。いつもあるのでうっかりです。代わりに揚げ入れましょうか」
「僕切るよ?」
手伝いをしてお盆などを出し、朝の配食の準備がある程度終わったところで、隆弘や航平が食堂に降りてきて、重い味噌汁の鍋や炊飯器などを運んでくれる。
「台車に乗せたままだから楽になったけど、一人で全部するのは大変でしょ?」と冬弥が隆弘に言われ、狐たちにさせるとはいえず、「すいませんねぇ」といつものように笑顔で答えている横で、航平が一度押したかったんだと朝の食事の合図のボタンを押す。
「あ!僕も押したかったのに!」
「前押しただろ?結構みんなやりたがってるんだって。俺下宿で一番乗りかも」
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