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調べ物とペンダント
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「痛っ……」
「おい、首元見せろ」
那智に見せると二本の線に増えており、周りが赤く腫れていて、刺青を彫った後のようになっていると言われ、「その例えがわからないけど、チクチクとして熱い」
「冷やしたらどうでしょう?」と三郎が言うと、すぐさま周太郎がタオルを濡らして持ってきて、首に当ててくれる。
「ありがとう、周太郎さん」
「とんでもないです。それより、もっと冷やした方がいいのであれば、氷を使いますが」
「いいよこれで。でも、お腹はすいた」
「もう出来るからね」
紫狐も椅子に座り、四人で遅いお昼ご飯を食べる。
キノコのグラタンと、パンにスープ。
他のみんなも同じご飯だったようで、スープが足りなくて作っていたらしい。
「温まるね」
「そうですねぇ。夜はどうしましょう?」
「材料見たらお肉もあったしこの人数なので、お鍋にしようかなと思ってるんですけど」
「良いですねぇ。私の分も取っておいてください。下宿はたまにはビーフシチューでいいですかねぇ?」
祖母が下宿の方も手伝うと言ったので、三郎たちにも手伝いに行って貰い、家の方はゆっくりしてろと言われたので、部屋で航平にテスト勉強を見てもらい、キリのいいところまでしてから、散歩に行きたいと祖父に声をかける。
「危ないじゃろう?」
「檪もいるし、誰かに付いてきてもらうから!」
「じゃがのぅ、冬弥も下宿じゃし、家も守らねばならんしのぅ」
「叔父上、俺が見てますから、雪翔と行ってあげてください。ほら、航平もついてってちゃんと守れよ!」
「もう、分かってるって!口うるさくなったなぁ」
「それなら周太郎、お主が一緒に付いてきなさい。三郎と四郎は分かれて下宿と家を頼む」
そのまま久しぶりに公園の方まで向かい、涼しくなったなぁと思いながら、色が変わり始めた銀杏並木を見る。
「なかなかに見事じゃの」
「あと一月もしたら金色だよ!すっごく綺麗なんだ。お婆ちゃんにも見せたいなぁ」
「落ち着いたらまたみんなで来たら良いではないか」
「だってこの時期が一番綺麗なんだもん。金色の絨毯みたいなんだよ?僕、初めて見た時感動しちゃって、違う日に写真撮ろうと思ってきたんだけど、前の日とはまた全然違う感じだったから撮らなかったんだ」
「そうじゃのぅ、今は交代でしか来れんから、次は婆さんじゃな。侑弥にはまだ散歩は早いと栞さんが言うておったから、来年じゃのぅ」
「桜並木は反対側にあるよ?広いからお花見する人もいるし、出店も出るんだ。なんで秋は出店でないのかなぁ?」
「祭りくらいだろ?出店って」
「うん、春祭りがあるから、それにあわせて出てるって聞いたけど、秋彪さんのお社はまだなのかな?」
「そう言えばわんぱく坊主が姿を見せんな」
「冬弥さんが、それぞれの季節に祭りがあるって言ってたよ?そろそろなのかもね。行けるかな?」
「儂等が居る間ならばなんとか行けるようにもできるが、帰ってからはやはり心配じゃし……」
「おい、首元見せろ」
那智に見せると二本の線に増えており、周りが赤く腫れていて、刺青を彫った後のようになっていると言われ、「その例えがわからないけど、チクチクとして熱い」
「冷やしたらどうでしょう?」と三郎が言うと、すぐさま周太郎がタオルを濡らして持ってきて、首に当ててくれる。
「ありがとう、周太郎さん」
「とんでもないです。それより、もっと冷やした方がいいのであれば、氷を使いますが」
「いいよこれで。でも、お腹はすいた」
「もう出来るからね」
紫狐も椅子に座り、四人で遅いお昼ご飯を食べる。
キノコのグラタンと、パンにスープ。
他のみんなも同じご飯だったようで、スープが足りなくて作っていたらしい。
「温まるね」
「そうですねぇ。夜はどうしましょう?」
「材料見たらお肉もあったしこの人数なので、お鍋にしようかなと思ってるんですけど」
「良いですねぇ。私の分も取っておいてください。下宿はたまにはビーフシチューでいいですかねぇ?」
祖母が下宿の方も手伝うと言ったので、三郎たちにも手伝いに行って貰い、家の方はゆっくりしてろと言われたので、部屋で航平にテスト勉強を見てもらい、キリのいいところまでしてから、散歩に行きたいと祖父に声をかける。
「危ないじゃろう?」
「檪もいるし、誰かに付いてきてもらうから!」
「じゃがのぅ、冬弥も下宿じゃし、家も守らねばならんしのぅ」
「叔父上、俺が見てますから、雪翔と行ってあげてください。ほら、航平もついてってちゃんと守れよ!」
「もう、分かってるって!口うるさくなったなぁ」
「それなら周太郎、お主が一緒に付いてきなさい。三郎と四郎は分かれて下宿と家を頼む」
そのまま久しぶりに公園の方まで向かい、涼しくなったなぁと思いながら、色が変わり始めた銀杏並木を見る。
「なかなかに見事じゃの」
「あと一月もしたら金色だよ!すっごく綺麗なんだ。お婆ちゃんにも見せたいなぁ」
「落ち着いたらまたみんなで来たら良いではないか」
「だってこの時期が一番綺麗なんだもん。金色の絨毯みたいなんだよ?僕、初めて見た時感動しちゃって、違う日に写真撮ろうと思ってきたんだけど、前の日とはまた全然違う感じだったから撮らなかったんだ」
「そうじゃのぅ、今は交代でしか来れんから、次は婆さんじゃな。侑弥にはまだ散歩は早いと栞さんが言うておったから、来年じゃのぅ」
「桜並木は反対側にあるよ?広いからお花見する人もいるし、出店も出るんだ。なんで秋は出店でないのかなぁ?」
「祭りくらいだろ?出店って」
「うん、春祭りがあるから、それにあわせて出てるって聞いたけど、秋彪さんのお社はまだなのかな?」
「そう言えばわんぱく坊主が姿を見せんな」
「冬弥さんが、それぞれの季節に祭りがあるって言ってたよ?そろそろなのかもね。行けるかな?」
「儂等が居る間ならばなんとか行けるようにもできるが、帰ってからはやはり心配じゃし……」
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